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消えた村 子供殺しの数え歌
ひとつ 氷室に腐らぬ少女の遺体
ふたつ 不老不死の薬に嬰児の心臓
みっつ 身投げの少女たくさんの男の慰み者になったから
よっつ 酔った男が気まぐれで蹴り上げた幼子
いつつ 苛立ちと共にゆさぶり振りまわし事切れた赤ん坊
むっつ 村の長者の囲い女が女児を産むも未来を苦とし首絞めた
ななつ 仲間意識を保つため村八分の家を皆で放火。寝ていた子供が黒焦げに
やっつ 山の者が憂い子供を連れ去る
ここのつ 今夜はいい月夜。はだかの子供に酌をさせ粗相をした子を摘まみに酒を飲む
とうでとうとう長者の息子槍を手に持ち村の男を刺し殺す。すべての男を成敗するも養われる母や女が包丁で刺し殺す
伝達で来ていた役人が隠れて見ていた
そっと逃げ出し上へ報告
髭の偉い人は指示を出す
はじめちょろちょろ なか ごうごう 泣く赤子はもう居ない
水が村を襲う
雨もないのに村に水は溜まり続け
全ての死体も生き残った加害者も全て水の底
立派なダムができました
水の奥底に残酷な心だけが残ります
奇麗な水が流れます
ふもとの町まで流れます
そうして村の狂いは、ゆっくりと広がるのです
消えた村のお話です