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夜の詩  作者: くろたえ
5/14

優しい夜の御裾分け

夜を独りで歩いていました


夜の1時

人も車も少ない


初めはイメージが湧いた

静かな森の泉

小川 

風?


耳が微かな音を捉え

それが音楽である事に気付く


歩を進める程はっきりとした曲になる

ハーモニカの音色


まだ遠い街灯の下

ガードレールに腰かける男から流れてくる

曲名は知らない

悲しい 

切ない 

染み入る音色


とても素敵だと男に会釈でもしようかと思っていた


男に近づく

周囲も見えてきた。

街灯をスポットライトにして

ガードレールに浅く腰掛け身を屈めるように吹いている


足元に新聞紙

その上に

花束と酒の瓶とグラスは多分二つ


歩が止まる

ああ、そうか

この場所は彼の場所だ

この時間は彼の時間だ


回れ右をして、来た道を戻る

数歩踏み出したとき曲が変わった

明るい軽やかな曲

思わず振り返ると

男がコチラを見ていて頭を下げた

会釈を返し立ち去る


この曲は我のために演奏してくれている

ああ、知っている

TVのCMで流れていた

とても、気持が良い

優しさが染み渡るようだ


曲が変わった

あ、知ってる「マイ フェイバリット シングス」

「そーだ、京都に行こう」の曲


音色はだんだん小さくなり

夜に消えた


例えば我に第六感があったなら

男の傍らで佇む存在が見れたのだろう


とても悲しく美しいく光景だったのだろうと残念に感じたが

我の好奇心のための覗きだと気付き反省する

そうだ

あの場所の夜は彼のものなのだから


長く不眠症をやっていて

街の徘徊が日常だと不思議な出会いがある


たまには身の危険を感じたりもするが


とても、優しい夜でした


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