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夜の詩  作者: くろたえ
11/14

春の終わり

ああ、もう二か月か三カ月ほど早く書ければよかったな。


まあ、少し涼しくなればいいですねぇ。


風にあおられて散る


桜の花びら


雪よりはかなく


やわらかに


みなもにそっと 舞い降りる


暗い水からにじみ出る


緋色の鯉がなやましく


来てもいいよと


身をくねる


岸辺の私は 石を抱き


そろり そろりと


鯉を追う



天上に流れる


桜の花びら


時の 狭間の


水の底


暗い世界に 雪はなく


水面にとどまり 漂うばかり


緋色の鯉がすりよって


冷たい手足に


口づける


湖底の私は 石を抱き


ゆらり ゆらりと


泡がいく




湖底の私の 真上には


まん丸お月さん 泣いている


たくさんの魚たちの祝福で


骨となった腕を上げ


お月様をなぐさめる



ひらり ひらりと


腕が舞う





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― 新着の感想 ―
[一言] おおお、ものすごい詩情あふれてますね! 全然関係ないんですが、坊さんを生きたまま棺おけに入れて流す話と鯉に殺した夫を喰わせる話を連想しました。 坊さんの方は、それが寺の風習になってて、お…
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