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終末の悪魔たち  作者: ベイビー
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第二章:極限の防衛線

こんにちはぁ!

第二章は

新緑の瞳

いざ、FNBへ


です!どうぞ!

第二章:極限の防衛線


深緑の瞳


2020年・二月

ここは南緯34度・東経159度に位置する海軍最前線基地FNB(first naval base)。

実は基地と言っても海面下にまで階層のある、恐ろしく巨大な建造物である。

悪魔の群勢が赤道付近まで北上しているものの、その動きは一人一人違う。

そのおかげか倒すのが比較的簡単なのだ。

悪魔たちは黒く長い尻尾を持ち、そこから電撃を浴びせてくる。

人一人では到底倒せないものの、電撃範囲より外側からの爆撃は有効である。

さらにFNB以北からは前述した通り悪魔は個別に行動し始める。

時に悪魔により惨殺事件が起こるものの、辛うじて人類は滅亡と対峙できていた。


ただ、これはFNB以北の話である。

それより南になると理由は不明だが悪魔は群れで行動し始める。

個の力より多の力が強いのは周知の事実である。

そこにはLS基準でいうSS級以上の悪魔が多数おり、さらに積乱雲を操る悪魔も存在しているため国連海軍であっても侵入が許されない領域となっている。

つまりこのFNBが人類到達可能線であり、人類の命運を左右する限界線だと言っても過言ではない。


「レインさん、探索開始から2時間が経過しました!そろそろ帰還しましょう。」

「え〜‼︎もうそんなに経ったの?早すぎでしょ。もうちょっといいじゃん?」


神絵一等兵の言葉に愛らしく応答する深緑の瞳の少女。


「ダメですよ、これ以上の飛行は規則に反します。」

「もお、かみっちったら真面目なんだから‼︎今日こそあの忌々しい雷悪魔を倒してやるんだから。」

「はあ、レインさん…。でも規則は規則ですから帰りますよ!」


嫌そうな顔をする少女はさておき神谷一等兵はFNBを目指す。

神絵秀一、一等兵。黒髪の青年。

若くしてFNBに配属され、南極付近の飛行調査の任務をこなす。

彼は正義感の強い男であり、家族の反対を押しっ切って自らFNB配属を志望した。

彼はこれといった能力は持たないものの、その自律した生活に長官が感服し、自律ができない少女の部下へと推薦した。

そう、自律ができない少女・深緑の瞳、えめえラルドグリーンのショートヘアの人物こそ、対悪魔連合の幹部でありSSS級の能力を持つ超人、レインである。


レインの家は裕福であり、ある程度の権力を持っていた。

彼女は甘やかされて育てられた。それゆえ苦しみも悲しみも、苦労も分からなかった。

そしてわがままだった。友だちが持っているものは全て欲しがり、自分の意見が否定されると一晩中泣いた。

根性がある一方で自律ができていなかった。

しかしそんな彼女も2014年に自らの能力を知ることになる。


2014年六月、スイスにて行われた能力検定にてレインはZZZpt(LS基準でSSS級)の結果を出す。

彼女の放つ緑色で半透明の炎は、触れたもの全てを焼き尽くす恐るべき炎である。

さらに彼女は炎で全身を包むことで最強の防御を発動することが可能である。

春斗の黒き砂でさえも彼女の炎の前では敗北するだろう。それほどまでに強力な能力なのである。


SSS級もの能力を所有することで2018年から彼女は国連の特別監視下に置かれることになる。

ある程度の自由はあるものの、わがままお嬢さんにはこの生活は苦しかった。

どこに行っても監視がいる毎日。毎週末には世界情勢を学ばさられる。うんざりしていた。

しかしその生活は彼女の人間性を豊かにするものであった。

紛争で親を失い一人たたずむ自分と同年齢の子供。

紛争に参加させられ殺されていく人々。

言論統制が行われ、人権が蔑ろにされる人たち。

彼女は世界の抱える苦しさに触れるようになっていく。


そして2020年一月、事件は起きた。

南極点に大穴が開き、次々に悪魔が侵入してくる。直接的な被害はなかったものの彼女はこの事件を一種の人類への試練だと感じた。

そして対悪魔連合への参加を志願していくのである。

対悪魔連合は国連軍が南極で大敗する五日前の一月二十三日に発足した機関である。

国連の一部ではあるもののその活動はほぼ独立しており、人類勝利のための希望である。




いざ、FNBへ



2020年2月18日


「ようこそ!FNBへ!」

小太りの青年が笑顔で話しかけてくる。

春斗が日本を出たのが17日。

軍の航空機で数時間飛行しFNBへついたのが今日18日。

ついこないだまで普通の生活を送っていた高校生が急に人類最前線基地に送られるのである。

たまったものではない。春斗は自分の頬をつねり、夢ではないことを確認する。


「あ、あの、初めまして、桐谷春斗です。」

「春斗君、初めまして!君の担当をすることになったジョニー・デックです!遠慮しなくていいからフレンドリーにいこう!」


春斗の不安を取り払うような明るい声でジョニーはそう言い、春斗を案内した。


「広いですねえ。」


春斗は感嘆した。なぜならFNB自体がとんでもない広さを有するからだ。


「いいかい、君が軍用機で着陸したのはこの建物の屋上なんだ。」

「え!屋上だったんですか?そもそも滑走路が屋上にあるなんてどういうことですか!」


正直意味がわからない。信じられない。


「へへへ、FNBはね海面上12階、海面下8階で、なんと言っても横幅が1200メートルもあるんだよ!!」

「1200メートル…」

「ちなみにここは海面下6階ね!兵士たちが生活するフロアだよ。」


先が見えない長い廊下を歩きながら会話を交わす。

いつの間にか6階まで下がったらしい。

建物の広さと言い、働いている従業員といい数値が尋常ではない。呆れるほどだ。


「でもなんでこんな危険な所にこんな巨大な建物を建てたんですかね?」


ジョニーに気になった事を聞いてみる。

普通こんな最前線にバカでかく目立ちやすい建物を作るか、という話である。


「ん〜、それ僕も何度か上官に聞いたりしてるんだけどちゃんと答えてくれないんだよ。だから僕も気になってるんだよね。」


ジョニーは困ったように頭を掻く。


「でもさ、この建物はとても安全だよ‼︎この前も悪魔達が攻撃してきたけど虹色の光線のおかげで圧勝したよね!」

「その虹色の光線ってなんですか?」

「これもよく分からないんだ…」

「…何なら分かるんですかジョニーさん‼︎」


自分を案内してくれる役のジョニーがこの建物についてあまり詳しくないので春斗は呆れた。


「ごめんごめん。でもね正直このFNB内で何らかの実験?計画とかが行われている気はするんだよ。」

「計画?」

「うん。実はFNBの水面上8階から水面下5階まではエレベーターで行けないうえに許可証がないと入れないんだよ。司令室は水面上9階にあって行けるから困る事はないんだけど謎だよねえ。」

「ものすごく気になります。どうやったらいけるんですかね?」

「わっかんない‼︎でも春斗君ならいけると思うよ。」

「どうしてです?」

「ほら、春斗君の能力だよ。S級以上の能力者が入っていくのはたまに見るんだよ。まあ、聞いても教えてくれないんだけど。」

「そういう事なら楽しみです。面白くなってきました。」


そんなこんなで話していると春斗の部屋に着いたみたいだ。


「ここが春斗君の部屋ね。部屋では自由に過ごしていいからね!今日は疲れてるだろうからゆっくり休んでね!」

「はい、ありがとうですジョニー。」


ジョニーと別れ、春斗はベットに横になる。

明日から任務が始まるらしい。

不安ではあるものの、春斗はFNBでの活動を楽しみにしている。

明日から新しい日々が始まるのである。

頭が回りません(ŏ﹏ŏ。)

三章はもっと面白い展開になるのでお楽しみに!!

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