始動(1)
この作品は僕の通っている高校で友達と理想の恋について語ってたときに思いついた作品です。
青春・恋・夢とゆう大きく分けて三つをテーマにしています。この作品を通じて男子校高生の思いを身近に感じてもらえれば幸です。
「拓実、友達来てるでぇ。」
俺はこの声でパラダイスから悲観の世界に連れ戻された。ふと、携帯を見ると、画面には数件のRAIN(国内最大級のSNS)通知が来ていて、目線を少し上げたら、そこに時計があり、7:50と表示されていた。
「え、マジで、ヤバイヤバイ、絶対遅刻やん。」
俺は一気に目が覚めた。
慌てて準備をして外に出ると、そこには俺の親友とも呼べる奥とマサオがいた。2人はとても心配そうな顔をして、俺に
「今何分?」
と聞いた。
「今、8時やで。寝坊してもうた。はよ行こう。」
俺がこう言いながら自転車に乗ると、みんな風になった勢いで自転車をこぎ始めた。俺の家から学校まで20分かかる。
「もし遅刻したらごめんな。話変わるけどさ、俺、電通(電車通学のこと)にしようか思ってんねんなぁ〜」
「なんでなん?」
マサオは俺に尋ねた。
「いやさ〜俺ら男子校やろ?でな、この4年間(中高一貫校のため)女の子がいないせいで、彼女欲しすぎてたまらんって奴と無になってる奴、あるいは男に目覚める奴が出てきたやん。まぁ、俺は言うまでもないと思うけど1番最初に言ったやつやん。そこで、俺はいくら彼女が欲しくても、チャリ通(自転車通学のこと)やったら出会いさえないし、それやったらまだ電通の方が出会えると思ってん。どう思う?」
奥は少し笑いながら言った。
「女の子と出会うために電通にするとか。電通にしたら金かかるしチャリ通より時間かかるし(学校が駅から大分距離があるため)、なにより朝起きんの早なるやん。」
「ほんまな。」
マサオは頷きながら言った。
「お前ら、そんなんやから彼女できひんねん。まぁ、またどうするか考えるわ」
俺自身も彼女ができた事がないのにも関わらずこんなことを言った。そうこう話しているうちに学校の駐輪場に着いた。