2頁 〜異世界〜
誤字脱字などございましたら、コメントのところに書き込みお願いします。
「初めまして、勇者たち。我はこの国の王、ドレッド•ミルアーガだ。この度は召喚に応じてくれてありがとう」
俺の眼前にある椅子に腰掛けてた白ひげのじいさんは、その無駄に装飾してある豪華な椅子から立ち上がり、俺と俺の隣にいる女の子を上から見下ろした。
……状況が飲み込めない。さっきまでこんな白ひげ生やしたじいさんじゃなくて、つるっぱげのじいさんと縁側で将棋をしてたはずなんだが。
あくびをした時目を閉じて、再度目を開けたらこの状況だ。理解しろと言われても質問ばかり頭に思い浮かぶ。
俺の隣に座る女の子もわけがわからないからか、辺りを見回して状況を理解しようとしてる。
まあ、今ある情報からだと……目の前のじいさんは召喚がどうこう言ってたから、俺たちは召喚されたーーつまり、ここは俺の住んでいた日本や、他の国々が存在しない別世界なのかもしれない。いわゆる異世界ってやつだな。
そして目の前にいるじいさんがこの異世界の1国かどこかの王様なんだろう。隣の椅子、おそらく玉座に誰もいないから……王妃は不在みたいだ。
死んでる可能性もあるし、ただ出掛けてる、もしくは病床に伏してる可能性もある。今は関係ないから無視しておくか。
後は甲冑で顔がわからない騎士が左右に3名ずつ。王様にしてはあまりにも不用心だな。余程の手練れっぽいな……下手な真似はしない方がいいだろう。
ここは少し、王様と話をして情報を得るとするか。
「なあ、じいさ……じゃなかった、王様。王様は俺たちが召喚に応じたって言ったよな? だが、俺たちはーー」
「口を慎めよ、ガキ」
俺の質問を遮る、おそらく女性だろうアルトボイス。首筋に冷たく硬い感触。視覚では一切捉えることができなかった。
俺に対し殺気を放つ騎士が首筋目掛けて大振りの剣を突きつけていた。隣に座る女の子も突如現れた騎士に驚いたのか、悲鳴こそあげなかったがその騎士から距離をとり、完全に恐怖に怯えていた。
冷や汗を拭い、ゆっくり剣から顔を離す。そして下手な真似はせず、顔だけを少し動かして辺りをーー騎士の数を確認する。
異世界だから高速移動もありかと思ったが……それ以上のものらしい。騎士の数はさっき数えた人数と変わってない。
つまり、ドアの外に居たが高速で入ってきたか、別の場所からテレポートしてきたのか。
いや、会話を聞いてたみたいだから、最初からこの部屋にいたんだろう。壁が薄いとも考えにくいしな。殺されたくないし、とりあえず口の聞き方には気をつけるか。
「今のは魔法か? 騎士の数が変わってないけど、俺的にはお前が最初からこの部屋にいた気がするんだが」
俺は降伏の証として両手を上に挙げ、剣は鞘に収めたが未だ殺気を放っている騎士に尋ねた。
「口を慎めと言ったはずだが? どうやら貴様は死にたいらしいな」
「まあ、よいではないか、ミレイ」
俺の言葉遣いが気に入らなかったのか、再び剣の柄に手を置いた騎士ミレイは王様の一言で片膝を立ててしゃがみ、王様に頭を垂れた。
……あっぶねえー。もう少しで頭と胴体が切り離されて向かい合う可能性もあったわけだ。気をつけろって言われても敬語苦手なんだけど。
「どのような話し方でもよい。呼んだのは我らの方だからの。ミレイ、質問に答えてやれ」
「はっ、かしこまりました。……今のは魔法か、という質問にはそうだと答える。幻覚魔法の一種でお前たち2人の視覚を紛らわせていた。だから、最初からこの部屋にいたというお前の感覚は間違いではない」
王様に返事をして立ち上がった彼女は非常に嫌そうな声音で答えてくれた。話し方1つで、俺は相当嫌われてしまったらしい。
まあ、幻覚魔法とかいう便利な魔法があるとわかったからよしとするか。……魔法、存在しちゃうんだなー。俺たちも使えたら面白いんだけど。
どうも、紫音ですm(_ _)m
この作品はこんな感じで、途中途中で投稿していきます。具体的には1500字前後の予定です。
主人公の落ち着き具合とか異常ですけどまあ、おいおい理由出てきますので待っててください。
コメントなどなどお待ちしております。