10月11日、没する少年
この話は作者である私自身の実体験に由来しているところが多い。つまりフィクションでありノンフィクション。だから最後まで飽きずに読んで頂きたいと思う。
まずは14歳だった頃の僕の話から始めなければならない。14歳の10月11日がこの物語のスタートラインなのだから。
夏が終わってから1ヶ月が経った。10月11日、夏休みが終わりを告げてから丁度1ヶ月。中学2年生の僕は、優越感に浸り続けていた。それも、夏休み直後のテストによるものであった。中学校では、夏休みの直後にテストを行う学校が最近は多い。だからたくさんの人が夏休みに勉強に必死で取り組み、良い結果を残そうとする。
しかし。僕は勉強に取り組まなかった。もちろん宿題は終わらせたが、自主的な勉強はほぼ皆無。テストなんてどうでも良かったのだ。そして、努力した者を嘲笑うかのようにして良い結果を残した。いままでは170名いる学年の中で、100位以内に入ったことがなかった。それでもゲームをし、漫画を読み、とにかくダラケた。「明日にでもやるさ」
それは、僕の口癖だった。そんな僕が夏休み明けのテストで、20位台に入ったのだ。今までの過程は、学年で170位なのにも関わらず。そして担任やその他の教師達にもこんなふうに模範とされた。
「誰だって夏休みに全力になれば良い結果が残せるんだ」
その言葉は間違っていないが、僕には適用されない。それを分かっていながら僕は出世頭として大いに風格を磨きあげ、自分に酔った。
「おい秀一!!お前どんな勉強したんだよ!?ったく、とことんずげーな、お前は!!」
「しょうがねぇな…よく聞けよ?まず、社会の歴史は年代ごとに…… 」
インターネットで調べたことをづらづらと言いまくり、その結果友達が「ありがとな!やっぱ出世頭はちげぇな!」と褒めたたえて来るのは、本当に気分が良かった。