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4.


大輔が帰りたいと願えば、俺はあいつをもとの世界に返してやれる。

ただし、これを実行するには、俺があいつと会って、あることを成さなければならなかった。


それは、ある意味シナリオをなぞることとなる。


すなわち、勇者が魔王の命を絶つこと。

勇者である大輔が、魔王である俺をあいつ自身の手で殺さなければならないのだ。

でもきっと、魔王が俺だとわかれば、あいつは諦めるだろう。

優しい奴なのだ、昔から。


だから俺はこれらを認識するとともに、顔に面をかぶり、正体を隠すことにした。大輔はおそらく魔王の姿を知らない。

そして魔王として、魔族達の頂点へと君臨し続けたのだった。



あれから、5年という年月が過ぎた。……そろそろ、終わりだ。

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