中編
ホラ吹き先輩は一息つくと、
話しを続けた。
「今のでわかりますよね。
椅子クソ兄弟が逆襲に出たんです。
チンピラ親父に言いつけたんですよ。
真ん中にいるのが、親父で、両脇が椅子クソ兄弟。
そして、
兄弟のどちらかが通行するガキの誰かを指さすと、
その大男はそこのガキ止まれ、
と大声で怒鳴ったらしいんです。
どなられたガキは、
大男も手に持った刃物も怖いんで逃げないで、
ちゃんと立ち止まってたらしいんです。
そうして、
4人だけ立ちん坊になって、
大男の恐怖に怯えているところに
体育の教師が竹刀を持って現れたんですよ。
4人は助かったと思いますよね。
普通なら」
「でも、違ってたのよね」
と、
デブ女は確認するように口を挟む。
「そう、カンがいいね、
奥さん。
その教師は、
いきなり4人をこのバカヤロー
と怒鳴りつけると、
ケツを出せと言って、
竹刀で4人のケツを順番に思いきりたたきだしたそうです。
4人をたたき終わったところで、
今度は、
兄弟双方がある一人を指さしたんだ」
「その教師でしょう」
と
デブ女は言う。
「と思うでしょうが違うんですよ。
惜しいなあ!
勘のいい奥さんなのに」
「あらそうなの?
あたしが聞いた話とは違うわね」
「やっぱり、
奥さんの目を見てそうだろうと思っていましたよ。
多分、
誰かからこの話しを聞いていたんだろうとね。
勘がいいと言ったのもわかってて、
わざと言ったんですよ」
「あら、そうなの。
それで、その椅子クソ兄弟」
「奥さん、声が大きいですよ」
「あら、ごめんなさい」
「さあ、
兄弟が指差したその一人奥さんは誰だ
と思います?」




