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青の魔法使いと最後の執行官  作者: 雨曇晴
冬の森にて
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15.氷の街エイス

「さぁ、街についたよ。氷の街、エイスへようこそ!」


 うとうとしかけていたところを、馬車の御者の声で目が覚める。


「ありがとうございました」

「いいさ。30コニだよ」


 お金を払って外に出る。ちょうどお昼前なのも相まって街には沢山の人で溢れていた。


「エイスか。僕が最後に来たときは違う名前だった」

「何年前の話ですか」

「……200年前だな」

「数年前の戦争でここは壊滅的な被害を受けました。その時に変わったのでしょう」


 道は整備されていて歩きやすい。寒さも冬の森よりましだった。王都ほどではないけれど、街も活気にあふれていて。いたるところで氷が売られていた。


「よお、お嬢ちゃん。見かけない顔だな。観光か?」

「えぇ、そうなんです。旅をしていて」


 王都からかなり離れているし、騎士もなかなか来る機会もないのだろう。私の制服を見ても何も聞かれないのは少し気楽だった。


「それならエイス特産のニンジンでも食べていきな。雪の下で育てるから甘くてうまいんだ。ほら」

「おいくらですか?」

「今回は特別だ。ほら、そこで黙りこくってる坊やにも分けてやりな」


 二本のニンジンを紙袋に入れて渡してくれる。王都で食べていたものよりももっと赤みがかかっていてほのかに甘いにおいがした。


「ありがとうございます。この店のおすすめは?」

「雪リンゴだね。今朝獲ってきたばかりさ」

「いりますか?」

「あぁ、いくつか」

「じゃあ、五つお願いします」

「あいよ。お金を先にもらおうか」


 籠の横に立ってる値札を見てお金を渡す。セロン様は相変わらず警戒しているようで、周りをきょろきょろ見渡して落ち着かない様子だった。


「ありがとうございます」

「あぁ、魔法使いには気を付けて!」


 店主に手を振ってから役所に向かう。そこで書類を提出してヘイズン村への入村申請審査が始まる。

 柔らかい日差しに溶けかかっている氷を眺めながら道を歩く。地図によれば道なりに歩けば役所があるはずだ。


「セロン様」

「大きい声で僕の名を呼ぶな」

「セロン様……街はいかがですか?」


 注意されて小さな声で聴きなおすと、ようやく満足したのか進む速度も速くなる。


「悪くないな。いつの間にかこの街は氷も有名になったのか」

「冬の森に近いからですかね? 町から少し時は慣れると牛や鳥がいるみたいですよ」

「役所に言ったらどうするんだ」

「防寒具を買いたくて。あと、調理器具とか」


 指折り数えると買わなければいけないことが意外と多いことに気が付く。まさかの出費だが目を瞑ることにしよう。この任務を無事に終えることができれば、あり得ないほどの大金が手に入るはずだ。そうしたら資金を片手にどこかに引っ越そう。


「じゃあ、それを買うか。終わったら甘いものでもどうだ」

「……いいですよ。有名なお店があるみたいだから持って帰りましょう」


 あの森ではあんなに強く、魔法使いらしいセロン様が街でこんなに小さくなっているのは少し面白い。なにか嫌な記憶でもあるのだろうか。

 役所に無事ついて書類を出す。血判を押して確認すれば無事に受理された。あとは申請が通るのを待つだけだ。


事情があり夏ごろまで更新まばらになります。

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