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魔界の王子様 ― 異端児の目指す世界 ―  作者: ゴリさん
第1章 魔界編

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9話 託された約束

アギエル達はそれぞれが出発の準備を整え、城の正門に集まっていた。


「マルファス・ボルタ。しばらくはお前らとは別行動になる。再会した時にお前らがどの位強くなっているのか楽しみだ」


「頑張ってこいよ!」


「兄上こそ私達に負けることがないように頑張って下さいよ」


「そうだよ。僕らは問題ない」


「ボルタが1番問題がありそうだが」

「まあいい。じゃあな」


「「はい」」


アギエルは単独で東の地へ。マルファスとボルタは南の地へ側近の兵と共に出発した。


ーーーーーーーーーー


アギエルは東の地へ向かう途中に、修行の内容について考えていた。アドラメルクから剣を渡された事から剣を使った修行だろうと思い、幼いころに習った剣術を思い返していた。


「しかし困ったな。東の地と言っても詳しい場所がわからない。どうすんだよ。東の奥地にある1番高い山に行けば分かるらしいが、本当に見つけられるのか?」


アギエルは飛行の術により空での移動が可能であるが、目的地の場所が曖昧なために不安な気持ちでいた。

東の地には様々な種族ごとに住む町が存在するが、東の土地を統べる王は存在しない。

いくつもの町の上空を通り過ぎ、はるか先に山脈が見えてきた。


「何やらデカい魔力を感じる。誰かが戦っているのか?」


「ひょっとしてオリエンスか?急いでみるか」


アギエルは目的地であろう場所の付近から大きな魔力を感じ只事ではないと推測する。



そこではオリエンスと(おぼ)しき人物が剣を持って数人の魔族と対峙していた。


「貴様らここへ何しに来た」


「我が名はオルクス。そなたの力を我が頂こう」


「ぬかせ。貴様らを消し炭にしてくれよう」


オリエンスのやり取りを見たアギエルは、ひとまず、オリエンスの傍へと降り立った。


「オリエンス殿、俺はアドラメルクの息子アギエル。この場は貴方に協力する」


「アドラメルク。懐かし名だな。ならば宜しく頼むよ」


オリエンスはアギエルの申し出を受け入れた。



「邪魔者か?しかしお前も中々の力を持っているな。面白い。ならばお前の力も頂くとしよう」


「馬鹿な事を言う奴だな。お前の望みは叶うことはない。ここで消してやる」


オルクスの言葉にアギエルが返す。


「アギエル。奴の配下を処理しろ。我は奴をこの剣で葬る。魔力解放。魔剣レーヴァテイン」


「ゆくぞ!」


オリエンスが持つ剣は強大な魔力を纏っていた。オルクスは黒く禍々しい気を纏う鎧を着ており、指の先は長く鋭い爪がある。その鋭い爪で剣を捌く。しかし、オリエンスの剣術は今まで見てきた誰よりも鋭く美しかった。やはり剣術もまた奥深いものだと再認識するアギエルであった。


「ここは俺も剣を使った戦いをしてみるか。エクスカリバーよ、俺に応えよ。魔力開放」


アギエルはオルクスの配下と思われる者達に攻撃を仕掛けた。相手は魔法攻撃を繰り出してくるが、アギエルはエクスカリバーで対処することが出来た。アギエルはエクスカリバーの力に驚きながら、オルクスの配下を次々と葬ってゆく。そして、最後の一人も切伏せた。


「さあ、残るはお前だけだ。覚悟しろ」


「はっはっは。威勢だけはいいな。それも今だけだな」


オルクスは右腕を空へ向かって上げ、手のひらを広げた。


「我が力の源となる魔力よ。我が元へ」


オルクスの言葉の直後、彼の手のひらには光と闇とが混ざり合い、収束し吸収されてゆく。


「がっ。これは・・・」


「俺の力が奪われている?」


オリエンスとアギエルは状況を把握出来ずにいた。


「どうだ。お前達の力が失われる感覚は?いずれ力尽きる事だろう」


アギエルは自身の魔力が奪われているのを感じていた。そして、何らかの打開策を見出さなければ、この窮地から脱することが出来ないことも理解できた。


「アギエル。お前の期待に応えてやることが出来ないが、お前に見せる最初で最後の奥義だ!よく見ておけ」


「何をするつもりだ」


オリエンスが猛禽類のような鋭い眼光でオルクスを睨み、決死の覚悟で何かを成そうとしている事をアギエルは感じ取っていた。


「我が命を懸けて貴様を必ず葬る。奥義!ダークネスヘルファイア」


オリエンスの魔剣レーヴァテインから放たれた一撃は、黒炎の業火を生み出しオルクスを飲み込んでゆく。直撃を受けたオルクスは体の一部が徐々に消失している。


「ぬ・・・ぐっ・・・」


「まさか、これほどの力とは。少々侮っていた。だが、お前の心臓は貰ってゆく!」


オルクスはその直後、瞬間移動でもしたかのような移動速度でオリエンスの前にいた。そして、オルクスの右腕がオリエンスの体を突き破っていた。手には、オリエンスの心臓と思われるものを掴んでいた。


「このままでは、我が身も危ういかもしれない。最低限の目的は達した。アギエルと言ったな。次はお前の力も貰うとしよう」


オルクスが言葉を発した後に、彼は暗闇に包まれて消えた。


「なっ・・・」


アギエルは、目の前から突然消えたオルクスに驚きながら、すぐにオリエンスの元に向かった。


「アギエル、すまないな・・・。お、お前の・・・」


「しゃべらなくていい。何とか治療は出来ないのか?」


「無理だ・・・。お、お前に頼みがある・・。ユグドラシルの世界へ行き、世界の管理者に我が剣を渡して欲しい・・・。もう我が復活すること永遠に・・な・・い。我が役目を・・・お前に・・託・す・・」


オリエンスは、塵となり消えた。



アギエルは暫くの間、唯々呆然としていた。この地に来た目的を果たすことが出来す、オリエンスを守る事すら出来なかった自身の不甲斐なさを嘆くのだった。


「 ユグドラシル 」


アギエルはオリエンスの剣を取り、彼との約束を果たすべく、新たな決意を胸に動き出すのであった。




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