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魔界の王子様 ― 異端児の目指す世界 ―  作者: ゴリさん


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7話 ユグドラシル 後編

次の日の朝、昼食後応接間に集まるようにと、アスタロトの使者から知らせがあった。

昼食後しばらくしてから、3兄弟は応接間に向かう。


応接間に入ると、アスタロトとその家族がすでに飲み物を飲みながら待機していた。


「只今、参りました」


「うむ。まずは座ってくれ」


アスタロトに促され、3兄弟はソファーに腰掛ける。


「では、昨日の話の続きを話そう」


アスタロトの言葉に各人が頷く。


「異界は基本的な構造として、ユグドラシルの世界を中心としているようだ。その為に本来は魔界と冥界は直接つながることがない。しかしながら今回のベルゼブの問題を考えると、何らかの方法で可能としている可能性がある。それについては、調べなければ分からないことが多い。だから今は言及することは出来ない」


「ユグドラシルの世界へ行く方法だが、異次元のゲートを超える必要がある。お前達は知らないと思うが、それはアドラメルクが管理している。ゲートとなる魔法陣がある場所は、アギエル達が住む城の地下にあるのだ。使用する為には膨大な魔力を必要とする。しかも、使用者本人の魔力でなければ異次元を超えることが出来ない。そしてさらに厄介なことで、大きな魔力を持ったままゲートを通ることが出来ない。利用する場合は、大量の魔力消費後にゲートを通る必要がある」


3兄弟達はここで疑問に思う。魔力を大幅に枯渇しても、時間の経過で回復する。それぞれが不思議に思っていると、アスタロトからの話でその疑問がすぐに解決する。


「お前達が不思議そうな表情をしている理由には察しが付く。この魔界には魔族の者に必要な魔素がとても多く存在する。故に、魔力の回復も早い。しかし、ユグドラシルの世界で魔界に比べるとはるかに少ないのだ。回復には想像以上に時間を要する。俺がユグドラシルの世界へ行った時には、魔力が全回復するまでに10年かかった。つまりその期間、本来の力を取り戻していないということだ」


「ヴィネと戦わせた理由も理解できたであろう」


「武技は、俺がユグドラシルの世界で学んだものだったんだよ」


「「「 そうだったのか 」」」


ここでようやく、何故、アスタロトが3兄弟に武技の力を体験させたのかを、それぞれが理解するのであった。



「ルシファーが動き出したという事は、ユグドラシルの世界で問題が起こる可能性がある。いや、すでに問題が起こっていると考えるべきであろう。そうなると、アギエル。お前がユグドラシルの世界に行くことになるだろう。マルファス。ボルタ。お前達も無関係ではない」


「お前達は一度、アドラメルクに会いに戻るがよい。その後、アギエルはアドラメルクからの指示に従え。マルファスとボルタはこの地に戻ってこい。しばらくの間はヴィネと特訓をしてもらおう。サルガタナス。お前も参加しろ」


アギエルとマルファス、サルガタナスは「はい」と頷く。


「えー」「僕は、のんびり過ごしてこそ、強者への頂を目指せるタイプなのです。僕は日々をぐーたらに過ごすことでより洗練されてゆくのです」


「馬鹿たれ!」「問答無用だ!」「俺の言う事が理解できないのなら、俺が地の果てまでも追いかけてスパルタ教育をしてやる」


ボルタは項垂れて観念した。


「わかりました」



「話はとりあえず、以上だ」


3兄弟はそれぞれが挨拶し、退席した。




「まったく、ボルタの馬鹿たれが」とアスタロトがポツリとぼやくと、王妃が苦笑いしながら「あの子はまだ精神的にも幼いのですよ」と言い、アスタロトが「そうだな」と言いながら窓から見える外を眺めていた。


「お前達、ユグドラシルの世界の話は他言無用だ。わかっているな」


「はい」とそれぞれが答えた。


「では、戻るとするか」と言ってアスタロトが退席した。

その後に王妃、王子、王女も各々の部屋に戻るのであった。



3兄弟は、それぞれの部屋で帰る支度を素早く済ませ、アスタロトに言われた通りに、いったん城へ戻ることにした。


「では、帰るか」


アギエルの言葉に、皆が頷き、自分たちの城へ向かって動き出したのであった。



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