3話 魔界の王と王子達
ベルゼブを取り逃がした王子達は、彼らの住む城へ戻って来た。
「兄上、まずは父上へ状況の報告をしましょう」
第2王子のマルファスがアギエルに進言する。
「そうだな」
アギエルが頷く。
「僕はお役目ご苦労さまという事で部屋にもどるよ。じゃあ、あとはよろしく兄上達」
第3王子のボルタは直ぐにこの場から去った。
「あいつはいつもああだ。本当、俺よりも逃げるのがうまいよな」
アギエルはぼやく。
「では、親父のもとに向かうか」
アギエル達は王のいる玉座の間へと足を進めた。
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「アドラメルク陛下。アギエル殿下達が戻って参りました。こちらへお通しします」
「うむ。通せ。それから、ヴァンスをここへ呼んでくれ」
王の近衛兵が伝達すると玉座に座る王は頷く。
「親父、今戻った」
「父上、只今戻って参りました」
玉座の間に入ってきたアギエルが言うとマルファスも続く。
「よく戻った。早速、お前達の話を聞かせてくれ」
王は王子達の話を聞いてから、今後の予定を決めるつもりであった。
「では私が兄上に代わって北の地で起きた問題について説明します」
「北の地へ赴いた私たちは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ということがありました」
第2王子のマルファスがアギエルに代わり北の地で起こった出来事について説明をした。
「そうか。冥界の王ルシファーが関係しているのだな。非常に厄介なことになったものだ。それからベルゼブの奴め、また我を謀るとは。奴の行方が不明なのも困ったものだ。うむ。どうしたものか」
王が頭を悩ませていると王の側近であるヴァンスが玉座の間に入って来た。
「陛下、只今参上致しました」
「殿下達も無事にお戻りになり、お疲れ様でございました」
「ヴァンス。とりあえずお前もマルファスから話を聞いてくれ」
王がヴァンスに告げると王は再び苦渋の表情を浮かべる。
ヴァンスはマルファスから話を聞くことにより事の真相を知り、暫くの間、考え込む。
しかし彼は事前にいくつもの事を想定をしており、今後についての考えを述べるまでに多くの時間はかからなかった。
「陛下、私の意見をよろしいでしょうか?」
「うむ。述べよ」
ヴァンスは王に意見具申する。
「今後、強力な魔獣達と戦う機会が増えるかもしれません。まずは、この周辺地域の防衛手段を見直す必要があります。それから早急に、敵と戦う配下達に今よりも強力な魔道具を用意する必要もあります。ベルゼブの行方は、諜報活動を行っている配下全てを総動員して早急に探します」
「殿下達には、南の地にいるアスタロト殿のところへ赴いて頂きましょう。彼の方に魔界の現状を説明し、力を借りられるように打診して頂きたい」
ヴァンスの意見を聞いた王が考えを口にする。
「うむ。さすがヴァンスだな。お前の意見を今後の行動予定としよう」
「アギエル。マルファス。お前達からの意見はあるか?」
「ない」
「ありません」
「では、ヴァンスは今の予定ですぐに動いてくれ」
「アギエル・マルファス・ボルタと側近は、明日にでも南の地にいるアスタロトへ会いに行ってこい」
「ワシからは以上だ。あとのことはよろしく頼む!」
王はそう告げると玉座から腰を上げて執務室に戻っていった。
「アギエル殿下。マルファス殿下。明日の朝、アスタロト殿のもとへ向かう前に彼の方に会う際に必要であろう物をお渡しします」
「今日はこれで失礼いたします」
ヴァンスは王子達に声をかけ玉座の間から去っていった。
「今回は久々に俺自身の魔力のほとんどを使ったからすげぇ疲れたなぁー。ゆっくり休んで、明日に備えるか」
「そうですね。私も同じです。明日に備えましょう」
アギエルとマルファスは互いに声を掛け、その後2人は側近とともに玉座の間を退出し、自室へ向かったのであった。
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