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魔界の王子様 ― 異端児の目指す世界 ―  作者: ゴリさん


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2話 黒幕

騒動の黒幕がベルゼブだと思っていたアギエル達は、困惑の表情を浮かべていた。


「何故、貴様が冥界の王に加担している?この魔界で何を企んでいる?」


第1王子であるアギエルはベルゼブに問いかけた。


「お前達は何も知る必要がない。この魔界の全てが冥界の王であるルシファー様のお役に立てばよいだけだ」


「貴様、勝手なことをほざくな!」

「冥界の王が魔界を好き勝手にすることなど俺達が許す訳ないだろう!」


「まずは貴様を潰す!」


アギエル達は戦闘態勢を取る。


「今の我はルシファー様より力の一部を授かっている。お前達には負けぬ」

「さあ、来るがよい。お前達もルシファー様の目的が成就する為の礎となれ」


ベルゼブが身構えると体の周りに纏う禍々しい魔素がより一層大きくなっていた。



「もはや貴様には永遠の滅びこそが相応しいようだな。手加減なく滅してやろう。ゆくぞ!」


アギエルは全力の力を持ってベルゼブをこの世界より葬る事を決意する。


「うぉらー」


アギエルは全開放した魔力を宿した拳でベルゼブに向けて放つ。

しかし、ベルゼブの前には目に見えない強力な結界が張られており攻撃が届く事はなかった。



「どうした?その程度か?」

「ならば次は我の力を知れ!ブリザードストーム!」


豪風のごとく非常に強力な猛吹雪が発生し、周囲の気温はすぐに氷点下まで下がり通常なら全てが凍結するほどの極寒の状態であった。当然、ベルゼブの攻撃により城は崩壊し、周辺にあった建物の瓦礫などは凍結し全てが吹き飛ばされた。しかし、ベルゼブの周りに張られた結界内の床に描かれた奇妙な術式だけは無事であった。


ベルゼブの攻撃は確かにアギエル達が恐れる程の破壊力があった。



「まだまだこれからだ。我の力を存分に味わうがよい」

「サンダーストーム!」


さらにベルゼブの攻撃が追い打ちをかけるようにアギエル達を雷撃が襲う。


アギエル達はベルゼブからの攻撃を全て躱す事は出来ず、大きなダメージを受けてしまう。



「予想外だな。ここまで強力な力をもっているとはな。非常に歯痒い状況だ。奴の結界を破る為には同時に最大攻撃をぶつける必要があるだろう。タイミングを計って同時に攻撃するぞ!各自準備しておけよ」


アギエル達はベルゼブの持つ力を認め、自分達に出来る最大限の攻撃を繰り出す準備を始めた。



「さて、そろそろ終わりにしてやる」


ベルゼブが結界内の術式に強力な魔力を流し始めた。




「ちょっとこれはかなりやばいでしょー」


第3王子のボルタが焦りを口にする。


「我々にはタイミングを計る余裕さえすでにありません。今すぐ覚悟を決める時です」


第2王子のマルファスがアギエルに意見する。


「そうだな。よし、全員魔力最大開放で攻撃をする。やるぞ!」


アギエル達は覚悟を決めた。そして、最大攻撃を繰り出す。


「 ダークネス デストラクション 」


アギエルは闇の力により破滅をもたらす程の威力をもってベルゼブを打ち滅ぼすつもりであった。


「 ライトニング バースト 」


マルファスは強力な雷撃を生み出し、極限に収束させた力を結界で爆発させる考えであった。


「 インフェルノ バースト 」


ボルタもまた結界の破壊を考慮して灼熱の炎を生み出し、結界で爆発させた。


「「「 ダーク バレット 」」」

「「「 ダーク フレア 」」」


王子達の側近達も攻撃に加わった。




「 ゴゴゴゴゴ・・・・・・・・・・  バ バァーン !! 」


アギエル達の攻撃がベルゼブの結界を破壊した。



「おのれー。小癪な真似をしおって」


ベルゼブは憎々し気にアギエル達を睨む。

攻撃を受けた事により結界内にあった奇妙な術式は全て消えていた。そして、ベルゼブ自身もまた体の所々を欠損していた。欠損部分は少しづつ再生され始めているがあまりのダメージに完全再生までには多くの時間が必要であった。


「この状況では計画を多少変更せざるを得ないな。致し方ない」


ベルゼブは次の計画に移るための行動を取る決断をする。

その直後、ベルゼブの右腕に装着されたブレスレットが大きく光り、その場からベルゼブが姿を消す。



「「「 え? 」」」


「奴が消えた?転移したのか?」

「これは今後の事を考えると非常に厄介だな」


アギエルは問題が解決するどころか今後、問題がさらに大きくなる事を認識し頭を抱えるのであった。



「兄上、今回このような結果になった事は致し方ありません。兄上の責任ではありません。一度城へ戻り皆で改めて今後の事を話し合いましょう」


「そうだよ。しゃーないよ。という事で帰ろう帰ろう」


マルファスとボルタが考えを口にした。


「そうだな。仕方がない。まずは一度城へ戻ろう」


アギエル達は一度城へ戻ることを決めた。




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