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魔界の王子様 ― 異端児の目指す世界 ―  作者: ゴリさん
第1章 魔界編

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19話 冥界

冥界の世界では、日中でも空が薄暗い暗闇に覆われ、大地などは荒れ果てた状態であり、とても生き物が生存しているようには思えない程の環境である。そのような場所に不釣り合いなほどの外観や内装ともに豪華な作りの大きな宮殿が建っており、宮殿の周りには幾つかの錆びれた建物も建っている。この豪華な宮殿には冥界の王ルシファーが居住しているが、玉座の間のような場所は存在しない。ここには多くの執務室や研究室があり、冥界における重要人物のほとんどがこの大きな宮殿に居住し、ルシファーからの指示で動いている。



宮殿の中心部に位置する長い廊下を一人の者が歩いている。その者は中央に位置する階段で最上階まで上がり、宮殿で一番高い場所にある部屋へと赴く。


その者が部屋のドアを「 コン コン 」と叩く。


「誰だ?」


「私です」


「入れ」


「失礼致します」


「よく来たな。まあ、座ってくれ」


「ありがとうございます」


この部屋の中はとても広く、シルクが使われている壁や精巧な作りの色鮮やかなカーテン、そして金銀などによって作られた装飾品を使用した精巧な家具や多くの美術品が部屋に置かれ、特に絢爛豪華な場所となっている。


二人がローテーブルを挟んで対となるソファーに座ると、この部屋の主に仕えている従者が二人に茶を入れる。この部屋の主が右手を少し上げて従者へ合図を送ると従者は一礼してから無言で部屋から退出する。


「さて、今日来た用件を聞こうか」


「ははは。長い間お会いしていなかったのに単刀直入ですね。少し世間話でもしながらと思っていましたが、そういう事でしたら先にご報告を致しましょう」


「以前の進行計画は魔界に住んでいた魔族達の反抗も加わり失敗に終わりました。その件については以前お話しした通りです。あれから再び準備を進めてきましたが、ようやく再進行の目処が立ちました。一度閉じてしまった次元の干渉には多少時間がかかりましたが、現在は幾つかの制約はありますが再び利用する事が可能となりました。攻める軍勢は以前よりも力は増しており、より強力な軍団として力を発揮してくれることでしょう。懸念する事とすれば、ユグドラシルで用意出来た私の依代となる素体がどの程度の負荷まで耐えられるかでしょう。前回は、ユグドラシルの世界で勇者と呼ばれていた強力な力を持つとする者の素体を利用しましたが、私の力を出し切ることは出来ずに肉体が崩壊してしまいました。ですからこればかりは予備となる素体がない以上、肉体が何処まで力の負荷に耐えられるのか試す事が出来ません。本当に未知数ですね。」


「それから厄介と成り得る魔族達の問題を配下達で処理出来れば良いですが、処理出来ずに前回同様に魔族達の加勢があった場合には、私の力で押し潰す必要があるでしょう。そのような事にはならないように一部の配下は私の力で能力を強化していますが油断は出来ないでしょうね。しかし、配下の者達により強化された異型の魔獣が多く準備出来たようなので問題はないでしょう」


「地獄の世界でも強力な力を持つ異型の怪物を作り出せましたので、世界が一つに融合されれば彼の者達相手に存分に暴れ回ってくれるでしょう」


「なるほど。面白そうだな」


「だがしかし、前にも言ったことだが冥界の奥地だけは絶対に干渉するな。他のことなら何をしようがお前の勝手だが、もしこの約束をたがえた時には覚悟せよ」


「承知しております。私も圧倒的強者の敵を無闇に増やしたくはありません」


「ならば良い。忘れるなよ」


「忘れることはございません。ご安心下さい」



二人はこの後、この部屋に訪れた者が持参した最上級のワインを飲みながら食文化などの事について語らうのであった。



ーーーーーーーーーー



時を同じくしてこの宮殿の地下では、管理責任者としてルシファーの直属の配下であるベルムの指示により大勢の者達が忙しなく動いてた。


この場所は宮殿の地下であるが、倉庫のような大きさで出入りをする扉も大きく作られており、地上までの通路や階段も広く大きく作られている。この部屋は長方形の形をしており天井が200メートル程の高さでとても広い空間であった。


部屋の奥には直径が50メートル程ある魔法陣が床に二カ所並んで描かれており、それぞれの魔法陣の周りには均等な間隔で8本の柱が立っている。柱の上には直径1メートル程の大きさがある魔法石が置かれ、それぞれの柱には魔法石へ魔力を送る為に10体程の冥界の者達が円になって立っている。


一つの魔法陣からは食料や郷土品、建築材料や様々な種類の鉱物などが次々と現れ、多くの作業員達によって宮殿内の倉庫へと運び込まれていた。


もう一つの魔法陣では動物の見た目の名残を僅かに残した異型の生物や魔族とおもわれる者などが入れ替わりで現れたり消えたりしている。時々、見た目が人間と思われる者も混ざっていた。


「ベルム様。予定していた物資等の搬入は順調に行われています。人員配置に関しましても今のところ問題は起きておりません。計画通りです」


「そうですか。計画に狂いがあれば問題です。全てにおいて注意しながら動いて下さい。よろしいですね?」


「承知しました」


ベルムは部下に無言で頷き、ルシファーから指示を受けている計画の進行に支障が出ないように他の部下達にも声を掛け、全ての作業状況を確認するのであった。



「いよいよですね。再進行の開始はもう時期でしょう。万全の状態で行いるようしっかりと管理を続けましょう」


一人全体を見回しているベルムは、ルシファーからの期待を裏切らないように自身にも改めて注意を促すのであった。



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