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4話

授業が始まるまで本を読んでいようと思い、机の中から本を取り出しました。

そしてページを開こうとしたとき、先生と話していた篠原君がなにやらこちらに駆け寄ってきます。

そして、申し訳なさそうに言ってきました。

「成宮さん、先生に教科書隣の人に見せてもらえって言われて……見せてもらえるかな?」

はぁ……また女子の方からにらまれることになりそうですね。面倒くさい……。

こっそり聞き耳を立てている女子から、早速痛い視線がとんできます。

だからと言って断るわけにはいきません。

「いいですよ」

篠原君はぱぁっとうれしそうに笑いました。

「ありがとう!助かるよ!」

と、ちょうどその時鐘が鳴りました。立ち上がっていた皆さんはあわてて自分の席に着きました。

私は隣に座った篠原君に教科書を見せます。

今の単元何だったかしら……。

数学担当の教師が入ってきて授業が始まりました。

教師はカツカツとチョークを鳴らし、黒板に方程式を書きました。

「では、少し難しいですがこれを解いてください」

余裕といったようにノートに書いている方もいれば、全くわからないというように机に突っ伏している方もいます。恵里香さんは問題なんて解いている様子もなく私を睨めつけてきます。

授業中くらいは私に敵意を向けないでほしいですね……。

ちらりと篠原君の方を見てみると、もう解き終わったのか鉛筆を置いていました。

「成宮さんはもう解けた?」

「えぇ、解けましたよ」

そう言うと、篠原君は目を見張りました。

「すごいね、ノートに何も書いてないみたいだけど……暗算でやったの?」

「はい。簡単な問題でしたから」

前世でやった問題はこれの数倍難しかったので、こんなのは数十秒ほどで解き終わります。

「ちなみに答えは何になったの?」

「x=15です」

「僕もだよ。じゃあ、合ってるかな?」

この間にも女子からの視線が刺さってきます。私を睨みつける暇があったら問題の見直しをやったらどうです?

「じゃあ答え合わせをします」

そう言って教師は黒板に計算の過程と答えを書いていきました。

「―――と言うわけなのでx=15です。合っいてた人は手を上げてください」

パラパラと数人ほどの手が上がりました。もちろん、その中には私と篠原君もいます。

「先生難しいって言ってたのに、それを暗算で解いちゃうなんて、成宮さんって頭いいんだね」

「ありがとうございます。篠原君も答え合っていましたし、頭いいんですね」

そう言うと、篠原君はなぜか嫌そうな顔をしました。

あら、どうしたんでしょう……?

「すみません。私、何か失言をしてしまいましたか?」

私の言葉に、篠原君は手を振り慌てて否定をしました。

「あ、ううん。そう言うわけじゃないんだけど……」

そう言って、少し口ごもりました。そして、少しうつむいて言いました。

「……自分の名字が好きじゃないんだ。だから、名前で呼んでほしいな」

自分の名字が好きじゃない、か。

その言葉を聞いて、少し前世のことを思い出しました。

この世界では、名前に縛られることなく比較的自由に過ごせるからいいですが、前世では何をするにもクランレスの名がついてきて、すべての行動を監視されているようで、窮屈で仕方がありませんでいた。クランレスの名を捨てて、自由に行動できたらどんなに幸せでしょう、そう考えたことは数えきれないほどありました。

「……いいですよ。では、奏斗さんと呼ばせていただきますね」

そう言うと、篠原君……奏斗さんは顔を上げて不思議そうな表情をしました。

「理由、聞かないの?」

「…聞かれたいんですか?」

奏斗さんは首を横に振りました。

興味がないというのもあるのですが1番は、奏斗さんの身にまとう雰囲気と言うんでしょうか。

「なんとなく、踏み入られるのが嫌そうだったので聞きません」

私も聞かれたくないことはたくさんありますしね。

奏斗さんは目を大きく見開いた後、もう一度うつむきました。

「ありがとな……」

その声は、普段より1オクターブほど低く、口調も少し違っていました。

「どういたしまして、奏斗さん」






高校1年の数学わからないので雑です。すみません。

高校生の授業風景って中学生と大差ないですよね?違っているところあったら、今後のためにも教えてくださるとうれしいです。

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