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転生したら悪役令嬢のテディベア ʕ·ᴥ·ʔ 〜かわいさといやし系スキルだけでこの子と家族を暗殺者から守れ......るわけあるか!  と思ったけど、あれ? 意外といけるぞ?  作者: しゃぼてん
3章 おかあさまのゆくえ

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第23話 テディベア、細くなる

 王都にいそいでもどったおれたちは、まずクリスティーナたんの家に向かったんだけど、パパさんはもうすでにコルネ姫ゆうかいのようぎで逮捕(たいほ)されてしまっていた。


 その日、お城の前の広場で重要な発表がされると言われていたから、おれたちは急いで広場にむかった。

 多くの人が広場に集まっていた。


 広場に集まった人たちは、


「獣人犯罪をゆるさない!」

「獣人犯罪者に死刑を!」


 というプラカードをもって、そういうことを叫んでいた。ここにいる人達はみんな、フモコイーサがコルネ姫をゆうかいしたことに怒っているみたいだ。だけど、フモコイーサだけじゃなくて、獣人みんなが悪者あつかいされてしまっている。


「たいへんなことになっちゃってるみゃー」


 ミャオリーは、クリスティーナたんの後ろにかくれるようにこそこそしながら小声でささやいた。それを見つけた人達が叫んでちかよってきた。


「獣人がいるぞ!」

「ミャオだ! 犯罪者だ!」


 どんどんと人々が近づいてきて、ふくろだたきにあいそうなふんいきになってしまった。本気をだせば、ミャオリーのほうが強いけど。


「ミャオリーはいったん逃げろ!」


 ジャックがそう言って体当たりでちかよってくる人達をおしのけた。


「そうするみゃー......」


 ミャオリーは走ってすがたをけした。


 その間に、「クリス、いこう」といって、コルネ姫がクリスティーナたんの手をひっぱって走り出していた。


「あれ? おじょうさま?」


 人ごみのなかで、おれたちを見うしなったジャックの声が聞こえたけど、そのときにはおれにもジャックのすがたは見えなくなっていた。


 歓声があがった。兵士をひきつれて大臣エノックがあらわれ、広場のステージの上にすすんでいった。

 大臣のうしろにはフードをまぶかにかぶって顔をかくした魔法使いみたいな人もいる。


 なんだろう。なんとなくあの魔法使いからはあやしい気配がする。


 ステージ上の大臣は、おもおもしい口調で言った。


「コルネ姫誘拐事件の犯人について発表する。コルネ姫を誘拐したのは暗殺者ギルド、フモコイーサ。獣人からなる犯罪者集団だ!」


 それを聞いた群衆が口々に叫んだ。


「獣人死ね!」

「獣人は全員死刑だ!」


 満足げに人々を見わたしながら、大臣は続きを言った。


「そして、フモコイーサをやとい、コルネ姫を殺害しようとしたその黒幕は公爵......」


 そこで、少女の大声がひびいた。


「まって! わたしなら、ここにいるよ!」


 コルネ姫とクリスティーナたんはステージの上にあがった。

 もちろん、おれもクリスティーナたんにくっついているからいっしょにいる。


 大臣はコルネ姫をみて、ものすごく、おどろいていた。


「コ、コルネ姫!?」


「わたしはゆうかいなんてされてないよ! ともだちとあそんでただけ! だからモフモフのひとたちとクリスのおとうさんをいじめないで!」


「なっ......おい、コルネ姫を保護しろ!」


 大臣が指示をだすと、兵士たちがコルネ姫とクリスティーナたんを囲んだ。


「や、やめて!」


 少女たちは抵抗しようとした。

 だけど、そのとき、大臣エノックの後ろにいた黒いフードでかおをかくした魔法使いが、ぶつぶつと呪文をつぶやいた。

 とたんに、コルネ姫とクリスティーナたんは、ふたりともボーっとしてしまって、そのまま兵士たちにだきかかえられ、つれさられてしまった。


 おれはこっそりテディパンチでクリスティーナたんをもとにもどそうとしたけど、ぜんぜん回復しなかった。普通の状態異常とはちがって、この魔法すごく強力みたい。


 クリスティーナたんとコルネ姫は兵士たちに城の中に連れて行かれ、とちゅうから別々の場所につれていかれた。


 コルネ姫の行き先はわからないけど、クリスティーナたんが入れられたのは、地下牢だ。

 地下のごつごつした石かべと鉄ごうしに囲まれた牢。

 なんかしめっぽくてくさい。


 こんなじめじめきたないところにかわいいクリスティーナたんを閉じこめるなんて。ひどいっ!


 でも、まずはクリスティーナたんを正気にもどさないと。


 ぽふっ ぽふっ ぽふっ ぽふっ ぽふっ


 ひたすらテディパンチをはなっていると、クリスティーナたんの表情がだんだんしっかりしてきた。


「テディ、わたし……? ここ、どこ?」


 クリスティーナたんがつぶやいたとき、地下牢のどこかから、声が聞こえた。


「その声は、クリスティーナか!?」


「おとうさま?」


 どうやら、クリスティーナたんのパパさんもこの地下牢に閉じこめられていたらしい。


 みつけられてよかった。

 さぁて、次は脱出しないと。


 おれはクリスティーナたんからはなれて、てつごうしの間に手をつっこんだ。

 おれの手は骨がなくてやわらかいから、むぎっとつぶせば、てつごうしのすきまを通るけど、頭とおなかがつっかえる。

 うーん。いくら小さくて、もふもふやわらかボディのおれでも、てつごうしの間はとおれないなぁ。もっと細くならないと。


 なんか、細長いものとか食べたら変身できるかな。でも、ここにあるのって、えーっと......

 おれは地面に細長いものが落ちているのに気がついた。でも……


 これは、ミミズの死体だ......ムリ!


 やっぱりむりか。

 と思ったおれは、気がついた。もふっとしたテディベアのおててに細くて長いきれいなかみの毛がついている。

 さっきテディパンチでぽふぽふしてる時に、クリスティーナたんのかみのけがくっついたようだ。


 かみのけ......これなら、たべれるかな。

 ぜんぜんたべものじゃないけど、なんかいける気がするー。

 ミミズとちがって、たべちゃえるー。


 テディパクパク発動!


 おれはクリスティーナたんのかみのけを食べた!

 

 .......んー。味とかはとくにないな。


 クリスティーナたんがびっくりしたように言った。


「テディ!  どうしたの? とってもほそくなっちゃったよ?」


 うまくいった。ひもみたいなスリム体形になれたぞ。これならよゆうで外にでられる。

 おれはてつごうしの間を、するりと通って外に出た。


 じゃ、まっててね。クリスティーナたん。


 おれはクリスティーナたんに手をふって歩き出した。


 えーっと。牢屋のカギはどこかな。


 おれはカギを探して歩いていった。とちゅうの牢にパパさんが捕まっていたから、おれは手をふってそのまま歩いていった。


 パパさんは、ものすごくふしぎそうな顔をして、


「頭がおかしくなってしまったのか? ロープのようにほそながーくなったテディベアが見えた気が……」


と、つぶやいていた。


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