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転生したら悪役令嬢のテディベア ʕ·ᴥ·ʔ 〜かわいさといやし系スキルだけでこの子と家族を暗殺者から守れ......るわけあるか!  と思ったけど、あれ? 意外といけるぞ?  作者: しゃぼてん
3章 おかあさまのゆくえ

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第22話 テディベア、おだんごを食べる

 村の入り口に、もふっもふの獣人の男達が集まっていて、その向こうにたくさんの人間の兵士たちがいた。


「獣人どもは全員殺せ!」


 兵士の隊長っぽい人はそんなことをさけんでいた。コルネ姫は、獣人たちの間をすりぬけていって、一番前、兵士たちと村人たちの間に立ってさけんだ。


「そんなこと、わたしがゆるさない!」


 さっすがゲーム本編の主人公! コルネ姫はちっちゃくてもかっこいいなぁ。

 兵士たちはざわついた。


「なんだあの子どもは? 純人の子どもみたいだぞ?」


「おじょうちゃん。しばらくこっちでおとなしくしてようね」


といいながら、兵士が近づいてきた。

 兵士たちは、相手がコルネ姫だと、気がついていない。


「もふもふのひとたちをきずつけちゃだめ!」


 兵士がコルネ姫をかかえようとして、コルネ姫が兵士を木の棒でなぐった。


「いたっ! このクソガキ……!」


 あーあー。知らないからって、あの兵士、姫様にクソガキって。

 兵士はコルネ姫を取り押さえようとして、コルネ姫はあばれた。


「はなして、はなして!」


 クリスティーナたんが魔法の呪文となえだした。

 ところが、その時、だれも予想していなかったことが起こった。


「ドラゴンだ! ドラゴンだー!」


 赤いドラゴンが空を飛んでいる。そして、ドラゴンが、こっちにむかってつっこんでくる。


「うわぁー!」


 兵士達の一部がふっとばされた。ドラゴンはさらに炎のブレスを吐いた。


「逃げろ! 逃げろー!」


 兵士達は逃げていく。獣人たちも逃げていく。


 残ったのは、コルネ姫とクリスティーナたん、おれ、ジャック、ミャオリーだけ。

 赤いドラゴンは炎をふきだしながらおれたちを見下ろしにらみつけていた。


<ようやく、みつけたぞ!>


 ミャオリーがささやいた


「あのドラゴン、あのドラゴンみゃー?」


 だよねー。おれたちが前に倒したあのレッドドラゴンだよねー。

 ふくしゅうのために追いかけてきたのかな。

 ドラゴンは恐ろしい顔で俺たちをにらみつけながら、いふう堂々と言った。


<さぁ、我をふめ!>


 ……は? 


<早くふむのだ!>


 いかめしい顔して何言ってんの? このドラゴン。


 ミャオリーがどうどうと言い返した。


「ユーもくま様のふみふみ中毒になったミャー? でも、くま様はそうかんたんにはふみふみしてくれないみゃっ!」


 いや、おまえも、何言ってんの?


<グフゥッ! なにをすればふみふみしてもらえるというのだ!>


 いや、べつに、ふみふみくらいただでするよ? おれはいいんだよ?

 でも、ドラゴンのいげんとかプライドとか、そういうの的にだめじゃない? 


「ドラゴンさん、あのひとたちをおいはらってくれて、ありがと!」


 コルネ姫がお礼を言った。

 ミャオリーがかってなことを言った。


「そうみゃっ! これからもこの村を守ってくれるなら、くま様がふみふみしてくれるみゃっ!」


<よかろう。では、この村を守ってやる。さぁ、さぁ、ふみふみ、ふみふみ>


 もう、しかたないなぁ。

 うきうきしながら地面にはいつくばるようにしているドラゴンに、おれはよじのぼって、ふみふみしてやった。


<ぐふぁーっ! これっこれっ! これだぁー! これなしじゃ、生きられないぞぉー!>


 ドラゴンのほうこうが村中にひびきわたった。

 あーあ。いかめしかったドラゴンがすっかり巨大へんたいトカゲみたいになっちゃったぞ。もう。


 さて、ドラゴンにふみふみをしてあげた後。ぶじに兵士は追い払ったし、村の門番はドラゴンがしてくれるから、おれたちはコンニールの家にもどった。


「はいはい、おだんごができたよ」


 コンニールのおばあさんができたてのフモートだんごをだしてくれた。

 おいしそう。見た目は、まん丸なおだんごだ。きなこみたいな粉とたれがついている。


「おいしー!」


 みんなが、おれ以外が、よろこんでおだんごを食べている。いいなー。

 ジャックが口の中におだんごをいっぱいいれたまま言った。


「だけど、姫さまは、早く家にもどんなきゃまずいっすよ」


 あー、おだんごおいしそうだなぁ。


「ああ。大臣は公爵に罪をかぶせるつもりだろうからな」


 チェスター様はそう言い、コルネ姫が、


「クリスの犬、あたまいいね。しゃべるんだね」


 と言いながら、となりのイスに座るチェスター様をなでていた。

 うん、チェスター様は見た目、ただの犬だからね。


 それはそうと、フモートだんごおいしそうだなぁ。

 でも、おれはぬいぐるみだから食べられないよなぁ……。口がないからなぁ。ないぞうもないぞーだしなぁ。


 あ、そうだ。いちおう確認してみよう。

 おれはふと思い出して、ステータスオープンのポーズをとった。

 あ、やっぱり。おぼえられるスキルのしゅるいがふえている。


 んん? なんか気になるスキルがあるぞ。


 テディパクパクLv1(まほうの口でものをたべる)


 これだ! 必要スキルポイントが10ポイントで、やたら多いけど。

 おじいさまの家でメイドたちとハグしまくったから、ポイントはたまっている。


 ポチッとな。

 おれはテディパクパクをおぼえた!


 さぁて、さっそく、スキル発動!

 テディパクパク! 

 おだんごを食べるぞー!


 おれはジャックの皿からおだんごをとった。

 ぬいぐるみの口は開かないけど、口のところにもっていくと、おだんごが消えた。


 ……あ! 味がする!


 おいしー! このおだんご、おいしー! 


 食べたおだんごがどこに消えるのかはなぞだけど。ちゃんと味がして、食べた気になれる。


 おれはもう一つおだんごをとってたべた。

 ジャックの皿はからになってしまった。


「ああー! おれのおだんご! なくなってる! だれだよ!」


 ジャックが気がついて叫んだ。


「し、しらないみゃー」


 ミャオリーがあっちを見ながらあせったように言った。


「ミャオリー! おまえか!」


 おれがたべるまえに、ミャオリーもジャックの皿からぬすみぐいしてたからな。

 それはそうと、なんか、へんだな。きゅうくつっていうか。


「あー!」


 ジャックがふたたび叫んだ。おれのをほうを見て大きく口をあけている。


「ミャー! くまさまが!」


 ミャオリーもさけんだ。おれのほうを見てきょうがくの表情をしている。


「まんまるになってる!」

「まんまるミャー!」


 ん? まんまる? あれ? たしかになんか手足がほとんどうごかせないし。クリスティーナたんがつかんでいてくれないと、ころころころがっちゃいそう。


「ほんとだー。テディがおつきさまみたいにまんまるだね。ぷくーっ」


 と、コルネ姫がおれをのぞきこみながら言い、クリスティーナたんはおれをもちあげて、かわいらしく、くびをかしげた。

 


「どうしたの? テディ? ふうせんみたいにまんまるだよ?」


 うーん。

 どうやら、テディパクパクって、たべると変身するスキルみたいだ。

 おだんごみたいにまんまるになっちゃった。


 ま、いっか。

 これでおれもおいしいものが食べられるぞ!

 もういっこ、おだんごを……


 ところが、その時、ブタっぽい獣人がとつぜん家の中にとびこんできた。

 ブタっぽい獣人はコンニールのそばにかけよった。


「コンしゃん、たいへんブヒッ! ガバしゃんとギルドにいたなかまたちが王国軍につかまってつれていかれた!」


 おだんごも食べずに、ずっと部屋のすみにすわっていたコンニールが立ち上がった。


「ギルドマスターたちが? 連れて行かれたのはどこだ?」


「王都ブヒッ。大臣のところブヒッ。ゆうかい事件の黒幕だった第一王子派の公爵とフモコイーサのメンバーが全員死刑にされるってうわさブヒッ」


「なんだと?」


 と言ったのはチェスター様だ。

 いつもお上品でおちついたようすなチェスター様の気配が一気に怒れるフェンリルのようにかわった。

 当たり前だよな。


「どうしたの? チェスター?」


 クリスティーナたんたちちびっ子はまだ理解してないけど。


 これってつまり、このままだとクリスティーナたんのパパさんが黒幕としてフモコイーサのメンバーといっしょに大臣に処刑されちゃうってことだ。


 一気にクリスティーナたんの闇落ちフラグ発生だよ。

 ママさんは行方不明でパパさんは殺されそうなんて。

 でも、クリスティーナたんの家族はおれが守る!

 パパさんを処刑なんて、絶対させないぞ!




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