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転生したら悪役令嬢のテディベア ʕ·ᴥ·ʔ 〜かわいさといやし系スキルだけでこの子と家族を暗殺者から守れ......るわけあるか!  と思ったけど、あれ? 意外といけるぞ?  作者: しゃぼてん
3章 おかあさまのゆくえ

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第20話 テディベア、かちこむ

 家の外にはすでに馬車が待っていた。「チェスター様、馬車の用意ができました」って、家の人が待っていて、おれ達はその馬車にのりこんだ。


 ちなみに、家をでようとしたところで、玄関で、


「おーい! まてよ! おれをおいていくなって。おじょうさまがまた行方不明とか言ったら、あねさんにころされちゃうよ!」


と言って、ジャックが追いかけてきたから、ジャックもいっしょに行くことになった。


「コルネ姫を探すって、どこに行くんすか?」


 と、馬車の中でジャックがたずねた。


「このおてがみにね」


と、クリスティーナたんはメアリあての手紙をとりだした。


「コルネちゃんはにせもののわたしにだまされたってかいてあったの」


「にせもの、変身といえば、コンニールみゃっ!」


 と、ミャオリーが言った。


「変身? コンニール?」


「コンニールは暗殺者ギルド、フモコイーサのミーの上司ミャー。昔、ミーをフモコイーサにスカウトしたミャー」


「ひょっとして、前にぎょしゃのふりして、おじょうさまをおそってきた奴か?」


「何回もおそってるみゃー。コンニールはいつも変装してるみゃー」


「じゃあ、姫様のいばしょがわかるんだな!」


 とジャックがきくと、ミャオリーはかたをすくめた。


「わかんないミャー」


「じゃ、どこにいくんだよ?」


「フモコイーサみゃっ!」


「は? 暗殺者ギルド!?」


 ジャックはあごがはずれそうな顔をしていた。


「コンニールはフモコイーサの命令を受けてるミャー。フモコイーサに行けば何かわかるみゃっ!」


「だって、暗殺者ギルドだろ? 悪くて危険な暗殺者ギルドだろ? そんなところ危ないところに、つっこんでいくのかよ!」


「みゃー?」


 ミャオリーは、危機感の(ききかん)のないマヌケ顔をしている。


「チェスター様! なんか言ってやってください!」


 ジャックが叫ぶと、馬車の中でねていたチェスター様は、片目を開いて言った。


「他に手がかりがないのだ。しかたあるまい」


 ジャックが絶望的な顔をしていたけど、おれもつくまで昼寝をすることにした。

 おやすみー。




 んあ? ふぁー。よくねた。


「きをつけてね。ミャオリー」


「まかせてみゃっ! ミーは気配(けはい)を消すのがじょうずみゃっ!」


 あ、いつのまにか目的地についていたみたいだ。クリスティーナたんとミャオリーの声がきこえる。


「ぶじにかえってきてね。ミャオリー。テディをかしてあげるから」


 は? はぁー!?

 クリスティーナたんはおれをミャオリーに渡した。


「くま様がいれば、百人力みゃっ!」


 ちょっとまってよ。クリスティーナたん!

 だめだめ! おれを、ミャオリーみたいな頭からっぽの脳筋猫に渡しちゃ。絶対たいへんなことになるもん。やだよ!


「テディ。ミャオリーを守ってね」


 むりむり! こいつ、手におえない。おれはクリスティーナたん専属テディベアだから。

 おれは、戻ろうと、クリスティーナたんの方に手をのばした。でも……


「じゃ、行ってくるみゃっ!」


 おれがぬけだすまえに、ミャオリーはとんだ。屋根の上まで。

 屋根の上を、ミャオリーは猛スピードで走って行く。あっという間にクリスティーナたんの姿は見えなくなった。


 ギャー! おれはクリスティーナたんのもとに帰るんだぁー! 


 と、心の中で叫んでいる内に。

 屋根の上でとまって、ミャオリーはささやいた。


「くまさま。ここみゃっ。ここがフモコイーサのかくれギルドみゃー」


 

 到着しちゃったよ。暗殺者ギルド、意外と町の中にあるんだな。けっこうボロそうな建物だ。


「かんきこうから忍びこむみゃっ。ミーにしっかりしがみついててみゃ」


 えー。やなんだけど。

 でも、他にどうしようもないから、おれはミャオリーをしっかりつかんだ。

 ミャオリーは換気口から忍びこみ、屋根裏みたいなところに入りこんだ。

 床板のすきまに顔を近づけ、ミャオリーはささやいた。


「いたみゃっ。ギルドマスターのガバドンとコンニールみゃ」


 おれはミャオリーのまねして板のすきまから下をのぞきこんだ。カバみたいな獣人がいるのが見えた。


「イヒッ。コルネ姫のゆうかいは作戦通りいきました。イヒッ。これで罪を公爵になすりつけるんですね」


「ああ。公爵家の子どもの誘拐(ゆうかい)・暗殺任務(にんむ)失敗も、これで許してもらえるだろう」


「イヒッ。エノック様はこれでフモコイーサを守ってくれますね」


「そりゃそうだ。わしらはエノック様を支える存在だ」


 その時。


 カサカサカサ


 なんかでかい虫が、おれのすぐそばを通っていく。


 ギャー! ゴキブリー! 巨大ゴキー!


 おれが小さいからか、この世界のゴキはでかいのか、バカでかいゴキブリが顔のそばをとおっていった。


 ギャー!!!



 おれはとび上がった。おれはとびあがったけど、音を立てなかった。でも.......


「みゃー! ゴリブリ虫みゃー!」


 ミャオリーが大声で叫んだ。


「ん? 天井裏に……何者だ!?」


 ガバドンが巨大なハンマーを天井に撃ちつけた。

 ミャオリーはおれをつかんで、よこっとび、ガバドンの一撃をよけたけど、天井には大穴があいた。


「バレちゃしょうがないみゃっ!」


 うん、バレてもミャオリーのスピードなら、逃げればだいじょうぶ。さ、逃げよう。


 とおれは思ったのに。


「勝負みゃっ!」


 ミャオリーはおれをつかんだまま、天井の穴の中にとびこんだ。


 うぉーい! 逃げろよ! ミャオリー! てか、おれをみちづれにしないでぇー!


 フモコイーサのギルド長とコンニールが叫んだ。


「貴様はミャオーテ!」

「この裏切り者が!」


 ............4秒後。


「イヒィーー!」


 コンニールは逃げ出した。


「あぐふうぅー、き、きもぢいぃー」


 ガバドンは、おれの足の下でふまれてる。

 この闇ギルド、実はミャオリーが一番強かったらしい。

 ミャオリーはギルドマスターをあっという間にたおしてしまい、今はおれはふんでいる。


 ミャオリーは頭をかいた。


「コンニールに逃げられちゃったみゃー。ギルド長、コルネ姫はどこかみゃ?」


 ふみふみふみふみ


「ぐ、ぐふぅー。お、おしえるわけには、いかん。いぃー。そごっ、そごっ……ギルドを守るために……はぁはぁ」


 ふみふみふみふみ


「どういうことみゃ?」


 ふみふみふみふみ


「お、お前も知っているだろう。獣人はこの国ではげしく差別されてる。うぐぅー。いいっ。いいっ。このギルドには、行き場のない者がたぐさん……ぐぅああぁー! きもぢいいー!」


 まじめな話のさいちゅうにふみふみはいけないかな。

 うるさくってしかたがない。

 でも、やめたらすぐに動きだしちゃうからな。


 ふみふみふみふみ


「ああー……エノック様は、約束してくでた。第二王子が王位を継承すれば、我々を守ってくれると……はぁはぁ」


 ふみふみふみふみ


「そのために、第一王子と第三王子につぶしあいをさせるのだ……ぁああー! も、もうだめどぅわ……」


 ふみふみふみふみ


「なるほどみゃー。で、コルネ姫はどこみゃ?」


 ミャオリー、こいつ、ガバドンの話をぜんぜん理解してなくない? ま、いっか。


 ふみふみふみふみ


「おしえるものかーっ! おふっ ふぐぅーっ」


「くまさまのふみふみをこれだけ受けても言わない気みゃ?」


 ふみふみふみふみ


「はぁはぁ……。く、熊様……熊様……」


 ガバドンは口を開きっぱなし、舌をだしっぱなし、このまま気絶しちゃいそうな感じになってる。たかがふみふみで、だらしないなぁ。


「くま様は、コルネ姫の居場所を言えと言ってるみゃ! 早く言うみゃ!」


 ふみふみふみふみ


「あふぅー、く、熊様……コ、コルネ姫はフモート村にぃ……」


 おれはガバドンから降りて、ミャオリーにはりついた。


 さぁ、行け! 我がのりものミャオリーよ!

 クリスティーナたんのところに帰るのだ!


「さっすがくま様みゃっ! いっくみゃーっ!」


 ミャオリーはまどからとびだし、街の中を走り出した。 

 よし、伝わった。と、その時は思ったんだけど。

 ちょっとして、おれは気がついた。

 あれ? こいつ、ひょっとして、合流するの忘れて、このままフモート村に行く気⋯⋯?



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