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転生したら悪役令嬢のテディベア ʕ·ᴥ·ʔ 〜かわいさといやし系スキルだけでこの子と家族を暗殺者から守れ......るわけあるか!  と思ったけど、あれ? 意外といけるぞ?  作者: しゃぼてん
3章 おかあさまのゆくえ

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第19話 テディベア、おてがみよんだ

 溶岩のどうくつの中を、美しいお犬様がふさふさしっぽをゆらしながら歩いて行く。

 おれ達みんなはその後をついて歩いて行く。

 といっても、おれはクリスティーナたんの肩の上にのっかっているんだけど。


 どうくつの中には溶岩の体でできたモンスターとかが出てきたけど、チェスター様とミャオリーがそっこう倒していた。

 チェスター様は犬型の時は力が半分以下になってしまう、って言っていたけど、十分強かった。

 たまにジャックもモンスターを倒していた。ただの召使いのくせにジャックは意外と戦えるんだな。


 やがて、どうくつの終点についた。

 そこには、いかにもなにかが封印されていたっぽい巨大なとびらみたいなものがあったけど、今は、そこはからっぽだった。

 チェスター様は、くうどうの中を見て、それから封印の一部だったっぽい、もようがきざまれた鉄の棒とかに鼻をちかづけながら言った。


「やはり、封印が破られている」


 クリスティーナたんは、だれかを探すようにあたりをきょろきょろ見てたずねた。


「チェスター、おかあさまは?」


 この辺りにはだれもいない。さいわい、死体らしきものもないけど。


「わからない。おそらく、ベアトリスはこの封印を解いたものに襲われたか、あるいは、解放されてしまった邪悪な闇のものを追いかけていったのだろう」


「ここに封印されていたのって何者なんだ?」


 ジャックがたずねると、チェスター様は言った。


「邪悪な闇、としか伝えられていない。ここにいてもしかたあるまい。一度もどろう。近づけ」


 チェスター様が魔法を唱えると、地面に魔法陣がうかびあがり、おれ達は全員、いっしゅんでクリスティーナたんのおじいさまの家に戻った。

 さすがチェスター様。べんりな魔法をおぼえてる。


 おじいさまのおやしきにもどると、すぐにメイドがあらわれて、チェスター様のおみ足をふいて、体をブラッシングをした。


 さて、夕食の席で、報告を聞いたクリスティーナたんのおじいさまは言った。


「あの封印がとかれてしまったか。あの場所には凶悪な邪悪な闇が封じられていると伝えられてきた。このまま放っておくわけにはいくまい。チェスター」


 金縁のお皿にもられたサイコロステーキを食べていたチェスター様は、さらふわの毛をなびかせながらふりかえり、言った。


「わかっている。私がベアトリスと邪悪な闇のものの行方を追おう」


「わたしもいく。おかあさまをさがすの」


 と、クリスティーナたんが言い、もちろんメアリが後ろから、


「お嬢様!」


と、とめるように叫んだけど、おじいさまは言った。


「うむ。たしかにメアリのいうようにノクスフェイル公爵家の令嬢のすべきことではない。だが、クリスティーナが我がグリムズリー家の娘であれば、すでに魔法修行の旅にでても良いとしごろ」


 えー? クリスティーナたんって、たぶん、まだ7才になってないくらいじゃない? おじいさまの家、スパルタすぎない?


「チェスター。足手まといになるかもしれぬが、クリスティーナをつれていってくれるか?」


「足手まといにはならないだろう。クリスティーナのあやつるテディベアの力はたいしたものだ。ドラゴンすらたやすく屈服させてしまった。ある意味、最強の存在かもしれない」


 え? おれ、チェスター様にほめられてる? 

 えへへー。最強だってー。


 クリスティーナたんのおじいさまは、メガネをひからせ、大きなイスにひとりで座るおれをじーっと見つめた。


「うむ......。このテディベア、たしかに尋常(じんじょう)ならざる力をひめている。だが、まるでこの世のものならざるようなこの超越的な力、気になるな......」


 あれ? おれ、おじいさまにうたがわれてる? 

 やばっ。この人たち、たぶん、おれをかんたんに消し炭にできるぞ。


 おれは、がんばって、ただのいいテディベアですぅー、ってオーラをだすことにした。

 やっぱりこれからは、めだたずじみーな、よわよわテディベアとして生きて行こう。


「まぁよい。メアリ。一度報告に戻り、公爵様に許可をもらってきてくれ」


「……はい。承知しました。ジャックは護衛に残しておきます」


「うむ」




 さて、メアリがパパさんの許可を取って戻ってくるまでしばらくはこの家でのんびり……するのかとおれは思ったんだけど。


 次の日の朝、クリスティーナたんはおれをぎゅっとだきしめながら、ふるえる手で手紙をつかんでいた。


「コルネちゃん……。テディ、どうしよう。コルネちゃんが……」


 手紙によると、どうやら、コルネ姫がゆうかいされてしまったらしい。


 というしらせがメアリあての手紙で届いて、本当はメアリ以外は知っちゃいけない話なんだけど。メアリはもうここにいなくて、その手紙の封筒をミャオリーがまちがって爪をかけてびしゃっと開けてしまって。


「これ、どうすればいいみゃー?」っと、ミャオリーがクリスティーナたんに手紙をわたし、クリスティーナたんが手紙をよんで、この事実を知ってしまった……という流れだ。


 どうやら、コルネ姫はクリスティーナたんのところへ遊びに行こうとしていたところをゆうかいされてしまったらしい。


 チェスター様がゆうがにりりしくおすわりをしたまま言った。


「第3王子の息女、コルネ姫か。やっかいなことになったな」


「どういうことみゃー?」


「今、第1王子と第2王子の間で、次期国王の座をめぐり権力闘争が起こっている。国王は病にふせっているからな。その件で父上にも依頼がきたが、おそらく、陛下は長くはもつまい」


 なるほどー。で、たしか、クリスティーナたんのおとうさまは、第1王子の支持者。


「今回の件、第2王子の派閥が、公爵に罪をかぶせるためにたくらんだのかもしれない」


 なるほど、なるほど。

 だけど、ほっといてもコルネ姫はきっと生き残るはず。ゲーム本編のコルネ姫はトラウマとか一切なさそうな明るさだったから、たぶん、だいじょうぶだろう。


 でも、クリスティーナたんは立ち上がった。


「コルネちゃんをたすけなきゃ。ミャオリー、チェスター、いこう」


「行くみゃ!」


 ミャオリーは元気よくとびあがり、チェスター様はふさっとしっぽをたなびかせて立ち上がって、言った。


「しかたがない。この件、早めに解決したほうが、世のためだろう」


 というわけで、おれたちは旅にでた。



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