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第13話 テディベア、母をたずねて、についていく

 新しい家について、数日たった。この数日は、とくになにもおこっていない。へいわでいい感じ。


 そうそう、スキルポイントがたまっていたから、おれは、この前、新しいスキルをおぼえた。

 スキルは使っていると上のレベルが出現したり、名前のちがう上位スキルが出現することもあるみたい。


 というわけで、おれのハグは、いやしのハグの上位スキル、テディハグになった!


 テディハグLv1:HP回復(小)、MP回復(小)、魅了(小)



 ほかは、特にニュースは何もないなー。

 だけど、きのうの晩、ロビンが「ママ、かえってこないね」とぽつりと言ってた。

 ママさんはまだこの家に到着していないのだ。


 だから今、クリスティーナたんは、


「テディ、おとうさまにおかあさまのことをきこうね」


と言って、おれをだっこしてろうかを歩いている。


 パパさんの部屋の前へ来たところで、クリスティーンたんはたちどまった。ドアのむこうから声が聞こえる。


「だんな様、奥様が行方(ゆくえ)不明らしいというお話を聞きましたが」


 この声はメアリだな。パパさんの声も聞こえる。


「うむ。ベアトリスは実家に帰ったまま、行方不明になってしまった。今、手をつくして探しているが、このことは、こどもたちには言わないでくれ。心配させたくないからな」


「もちろんです」


 クリスティーナたんは、そーっと、部屋の前をはなれた。


 それから数時間後。

 クリスティーナたんは大きなリュックをせおって、おれのうでをつかんで言った。


「おかあさまをさがしにいこ。テディ」


 きもちはわかるよ。クリスティーナたん。でも、これはちょっと、むぼうな気がするよ。


 だけど、クリスティーナたんにおれの声はきこえない。

 クリスティーナたんは姿を消す魔法をかけて、おれだけをつれてそーっと家からぬけだした。



 家をぬけだして数分後。


「くまさまー!」


 ミャオリーが後ろから走ってきた。

 まだクリスティーナたんの魔法はきいているはずだから、姿はみえないはずなのに。

 追いついたミャオリーは、じまんげに言った。


「とうめいになったって、ミーはにおいでわかるんだみゃっ!」


 なるほど。意外と優秀なんだな。ミャオリー。

 さ、みつかっちゃったから家に帰ろう、クリスティーナたん。

 と、おれは心の中で言ったんだけど。


「ミャオリーもくる? テディといっしょにおかあさまのところにいくの」


「行くみゃっ!」


 えー!? ミャオリー、クリスティーナたんをとめにきたんじゃないの!? 

 なんで? なんでそうなるの!?


 クリスティーナたんは歩きながらミャオリーに説明した。


「おかあさまはね。おじいさまとおばあさまのおうちにいたの。だから、まずはおじいさまとおばあさまのおうちにいかなくちゃ」


「そのおうちはどこにあるみゃ?」


「ファルセターというまち」


「ファルセター……けっこう遠いみゃー。100キロ以上はなれてるみゃー」


 クリスティーナたん。さすがに、それは、むりだと思うよ。おれ、家でのんびりごろごろしてたいよ。


 クリスティーナたんはつぶやいた。


「ポポがいてくれたらなぁ」


 ポニーのポポの速度って、人間とかわらないけどね。


 とにかくもうムリだから。さ、もう、家に帰ろう。


 と、おれが無音で言ってたら。ミャオリーが言った。


「じゃ、馬車に乗るみゃっ」


 おい、ミャオリー! 実現可能な提案をするな! クリスティーナたんが本当に行っちゃうだろ!


 と、おれは心のなかでさわいでいたんだけど。


「ばしゃでいけばいいんだね。ばしゃはどこでのるのかなぁ」


「こっちミャー」


 クリスティーナたんは、ミャオリーのたすけでぶじに馬車の発着所へついてしまった。


 その頃にはとうめいになる魔法の効果はきれていたから、馬車の案内所で、おじさんが話しかけてきた。


「おじょうちゃん。どこに行くんだい?」 


「ファルセターです」


「そんな遠いところに。まさかひとりで行こうってんじゃないだろうな」

 

 そうそう。行っちゃまずいってば。


「ミーもいっしょみゃー」


 おっちゃんはミャオリーを見て顔をしかめた。


「あん? 獣人」


「ミーはこの子のごえいみゃっ」


 おっちゃんは、嫌そうに、はぁーっと息をはいた。


「本当は獣人は乗せないんだけどなぁ。しかたない。じゃ、プーマスまで二人分ね」


「プーマス?」


「今日中にファルセターまでつく馬車はないから、プーマス行きにのって、そこで一泊して、明日ファルセター行きにのりな。ほら、そこの赤い馬車がプーマス行きだ。プーマスまで2人分で200G。乗る時に馬車の運転手にわたすんだ」


 赤い馬車にむかって歩きながら、ミャオリーはうすっぺらいおさいふの中をのぞいて言った。


「200Gもするみゃー? ミーは今、ぜんぜんお金ないみゃー」


 ミャオリーに払えない金額なら、子どものクリスティーナたんには払えないかも。と思ったけど。


「はい。ふたりぶん」


 と言って、クリスティーナたんはあっさり200G出して、馬車の運転手にわたしてしまった。

 さすが、貴族令嬢! お金持ちだった……。


 こうして、クリスティーナたんは馬車にのってあっさり王都を出てしまった。

 いまごろ、メアリがまっさおになってそう……。それか、怒って、まっかっかかな。


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