表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

第 七 章 現在 高校一年 春 4月

第 七 章

現在 高校一年 春 4月


あさみはめいかと同じ夢を見ていた

あさみはめいかの夢を見ているとわかった


夢のなかでのめいかは小学校3年生だった

お父さんのゲンドウとおかあさん、めいかの3人でお食事をしている


おかあさんが言った

「よそってあげる

めいちゃんのお皿ママに渡してごらん」

「まるでわんこそばだ、わたしにそんな親切にしてもいい一句は簡単に出ないよ、

 おかあさん」


「めいちゃんの詠んだ俳句はぜんぶ日記に記録してる」おかあさんは言った


ゲンドウが言った

「めいかさん、いい一句を詠むため頑張ることはない

 めいかさんがそのまま詠んでくれた俳句がわたしたちにとっていい俳句だ」


めいかは言った

「ホイップクリームの載ったパンケーキにさらに、はちみつかけてもらって嬉しい

 気持ちにならないわけないっていう今のわたしの気持ちを俳句にしたい」


おかあさんは言った

「この子のポエムの才能はおとうさんからのものね」


ゲンドウは言った

「わたしは医学部に入るか、文学部に行くか一度悩んだ

 その時詠んだ苦悩の一句がある」


おかあさんが言った

「それは才能の無駄遣いね

 でもその才能でわたしのこともたくさんポエムにしてくれた」

 それを聞いためいかは言った


「わたしは色恋沙汰を俳句にするつもりはないわ

 恋には季節がないと聞きます」


3人はおかあさんの作ったすき焼きを食べていた

あさみはその様子をみていた


自分が邪魔にならないように、と思ったがめいかの両親に自分は見えていないよう

だった


めいかだけがわたしを見ている

でもわたしがだれか知らないようで、彼女は見えていないふりをしていた


あさみは孤独を感じ、寂しさを覚えた

自分が台無しにしてしまった家庭もこんな感じにお食事していたのか


めいかが警戒してわたしをみている


彼女はわたしが両親に危害を与える存在か判断しかねている

心配させないように自分は席を外そうとした


そして気がついた

この家から出れなくなっていることに

呼吸が苦しくなる


ロープが首に食い込んだ。自分の体重でロープの結び目がきつくなった


誰かが身体を揺さぶった

そしてあさみは目覚めた


身体を揺さぶっていたのはめいかだった


めいかはあさみが目覚めた事がわかると、あさみの胸に顔を押し付けた

めいかをそっと抱きしめたがまだ呼吸が荒くなっている


その時、あさみは自分が最もやってはいけない方法で罪を

つぐなおうとした事をさとった


この子の母親役になるには自分は若すぎる


保育士としてお世話した4歳児よりめいかはずっと大人だ

そして彼女は恐ろしく賢い


めいかの能力を奪い、自分はきれいに消滅するなんてうまいことができるだろうか

この子を出し抜き呪われた能力を奪えるだろうか。いったいどうやって


そして消滅するとしたらもう一度あの苦痛を味わう

もうロープは使いたくない


「あさみさん、時計見て」


あさみは言われた通りにした

「うしみつどきだ。一回起きて温かい紅茶飲もう

 霊感がある人はうなされる時間だから」


「わたしが霊なんじゃなくて?

 それと紅茶のカップ右手に持って、左手で避難用滑り棒登る方法教えて」


めいかは言った

「前やった時、カップを右手から左手に移すときに身体が落下して失敗した」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ