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19-1 死に際のサニー

 子供と大人の違いは一体何なのだろう、と孤児院のすぐ外で死に際のサニーは考える。


 お酒が飲める年齢になれば大人なのか?

 それとも誰かと結婚して子供ができたら大人なのか?

 働き出した時点でもう大人なのか?


 急速に意識が薄れていく中で、いくつかの答えが浮かんでは弾ける。どれも違う気がする。

 やがてサニーは自分なりの答えを導き出した。


 それは、未来を予測できるかどうか、だった。


 後先を考える事ができるのなら、もう大人なのだ。

 大人はそれで準備をしたり、悪い大人は手段を講じて保身に走ったりする。

 逆に子供は無鉄砲さを前面に出して突き進む。その無鉄砲さが道を切り開く力になる時もあるけれど……大抵は後先考えず動くから間違った事をする場合が多いだろう。


(そうだ……私は子供だった。だから、どうなるか考えずスターに取り返しのつかない事をした)


 本当はすぐにでも謝りたかった。しかし自分の過ちに気付いて行動に移すよりも早く、スターは軍に入隊し機を逃してしまった。

 それから時間を掛けて軍に入隊したが、既にスターは殺害した人間とその関係者の未来を奪ったとして思い悩んでいた。

 それが自分のせいではないと知らずに。


(私は謝らないといけない……スターのやった事全部、何も悪くないって)


 だが身体は動かない。胸を後ろから突き刺され溢れ出す血が止められない。自分はもうすぐ死ぬのだ。


 しかしボロボロのスターがすぐ近くにいる。目覚めた直後で何が起こったのか理解できない顔が霞む視界に映る。間違いなくスター本人。


 今、伝えないでいつ伝えるのか。


 膝立ちの状態で抱き抱えられていたサニーは最後の力を振り絞り、スターの右手に自分の左手を添えた。


「スター……今まで、ごめんね」


 その言葉が限界だった。

 他にも伝えたい事があるのにその意に反して身体から力が抜けていく。添えた左手が滑るように地に落ちた。


 サニーが最期に見たのは困惑の真っ只中にあるスターの顔だった。まるで時間が止まったように硬直している。


(意味、不明……だよね。本当にごめん、なさい……)


 死のその瞬間まで、サニーは申し訳ない気持ちで一杯だった。


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