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星と汽車
夜が深くなる午後の9時。静かに汽車は駅を出ます。小さい汽車が駅を出ます。
汽車がゆっくり走り出すと、暗い辺りはだんだんと、きらきら明るくなりました。
星がたくさん出てきます。汽車はぐんぐん走ります。
筆箱のような客車から、星がたくさん見えました。とてもきれいでありました。
きれいな星は、互いにはじけ飛び、客車に入っていきました。
客車の中でもはじけ飛び、僕は弾かれていきました。客車から弾かれていきました。
弾かれた僕は宙を漂って、僕と平行に走る汽車を客観的に眺めます。星の川を走る汽車を、それは綺麗と眺めます。
光が射したサイダーのような、きらきらとした煙を吐いて、汽車はますます走ります。
汽車はどこまで行くのでしょう?僕にも誰にも分かりません。
汽車はますますどこまでも走ります。星の川をいつまでも走ります。