表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
117/127

第117話 要塞

 7番惑星までは、まったくと言っていいほど問題がなかった。

 そのまま、7番惑星にたむろしていたアルファ艦隊を撃破する。


「6番惑星の攻撃に比べれば、なんてことはないですね」

「しかし、敵がどこからやってくるかは分かりません。先のように、ワープ中でもやってきますからね」


 そうアバターと寺門が話す。

 実際その通りで、ワープの最中でもレーダー監視がつくようになった。

 今後もワープ中や、それ以外の時にレーダー監視要員がつくことになるだろう。


「さて、7番惑星の攻略も済んだことですし、次の8番惑星に向かうとしますか」

「8番惑星までの距離は、約87億kmです」

「これまたずいぶんと遠いですね」

「ワープを使えば、わずか数分で到着しますよ」

「分かってるんですが、ワープ中にアルファが飛び込んでくる様子を見てからは、なんだか落ち着かなくなってしまいまして」

「気持ちは分かりますが、今は艦長としての役割をしっかりと果たしてください」

「分かってますよ」


 そういってホッフヌングは8番惑星に向けて、ワープを開始した。

 ワープをしている間も、寺門は心ここに有らずといった感じである。

 しかし、寺門の心配に反して、ワープは特に異常もなく進んでいく。

 そしてワープを抜けた。


「ワープアウト完了。周辺に敵影無し」

「航海図、通常空間に対応完了」

「ワープ成功だよ」


 それを聞くと、寺門はため息をつく。


「それで、肝心の8番惑星はどんな感じだ?」


 戦術長のロイが、通信長のジェニファーに聞く。


「8番惑星は……、地図によると右前方にあるはずなんですが……」


 そちらのほうに映像が移った。

 8番惑星は恒星から遠く離れた巨大氷惑星に位置づけられる。

 その姿は、地球でいうと天王星や海王星に分類されるものだ。

 しかし、映像に移ったものは、それとは異なるものであった。


「えぇと……。表面に大砲が見えるんですけど……」


 8番惑星表面が、ハリネズミのように大砲のようなもので埋め尽くされている。

 それと同時に、中央制御コンピュータが警告を発した。


「中央制御コンピュータより、8番惑星がアルファによって惑星要塞に改造されていると警告しています!それと同時に、8番惑星から強力な電磁波が発せられています!」

「惑星要塞……?それに電磁波ですか?」

「現在、中央制御コンピュータが電磁波を解析中!……解析結果出ます!」


 そういうと、スピーカーからノイズ音が聞こえる。そして、それははっきりとした言葉になる。


『我々は、この恒星系に存在する全ての生命体を封印するために存在している。この電波を傍受出来るということは、それなりに発展した文明を持っているということだ。そして惑星の外に出ることは我々が断じて許さない。よってここで滅んでもらおう……』


 このような言葉を繰り返している。


「何なんですか、これ……」

「分かりません。しかし、この内容が真実だとしたら……」

「……もしかしたら、対話が可能かもしれません。惑星要塞に向けて呼びかけてください」

「しかし、また攻撃される可能性もありますよ?」

「構いません。都度都度対応していけばいいんです。とにかく呼びかけを」

「……分かりました」


 そういって通信長のジェニファーは、全ての通信回線を用いて惑星要塞に呼びかける。


「こちらホッフヌング、この声が聞こえているなら投降してください。繰り返す、こちらホッフヌング、この声が聞こえているなら投降してください」


 そのように呼びかけると、先ほどまでの通信がプツッと途切れる。

 そして、機械のような声が返ってきた。


『こチラはLKU6419星系第8惑星要塞デス。何カ御用でショうか?』

「艦長、返事が返ってきました!」

「このまま僕たちを攻撃する理由を聞き出します」


 寺門は冷静になる。ここはアルファとの対話のチャンスであると。


「こちらホッフヌング。なぜ我々を攻撃するんですか?」

『そノ問いは、簡単デス。我々ハ、この星雲デ一番最初に誕生した生命体デス。我々は他の生命体ヲ、惑星から出す事を嫌いマス。そのタメ、他の生命体を惑星から出さナイようにする制御装置トシて開発さレマした』

「開発された……?」

『我々は、最初ノ生命体ニより造らレタ、人工知能集合体デス』

「人工知能集合体……ですか?」

「とんでもない話になってきましたね……」

『我々は、アナタ方原始生命を惑星に閉ジ込め、滅亡スルまで監視、攻撃をスルのが使命デス』


 寺門は頭を抱えた。

 アルファの正体は人工知能集合体で、機械的に文明を滅ぼす事を目的にしていたのだ。


「艦長、これどうするんだ?」

「どうするもこうするも、これは重大な問題です。しかし、敵の正体がはっきりとしました。それだけでも大きな進展です」


 そんな事を話していると、アルファ側が呼びかけてくる。


『アナタ方は、我々の仲間ヲ多く殺しマシタ。よって、ココで殲滅しマス』

「艦長!惑星要塞から多数のアルファ艦隊が出てきます!」


 レーダー上では、相当数のアルファの艦艇がワラワラと湧いて出てくる様子を映し出していた。


「総員、第1種戦闘配置!」

「総員第1種戦闘配置!」

「残弾全て使う気で行くぞ!」

「高機動戦闘に対応よし」

「機関も万全だぜ。いつでもいいぞ」


 寺門は一息つく。


「ここが正念場です!総員、一層奮起して闘ってください!」

「了解!」


 こうして戦闘が開始される。

本日も読んでいただき、ありがとうございます。

もしよろしければ、下の評価を押していただくと幸いです。またブックマーク、感想も大歓迎です。

次回もまた読んで行ってください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ