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音のない歌詞

吐瀉物

作者: 渋音符

毎度の如く、思いつきです



 泣いた 

 初めて 泣いた

 あの日のことは わたしは 忘れない


 吐いた

 くわえて 吐いた

 あの日の心 わたしは 忘れたい


 ぴんぽん チャイムを鳴らす

 がっこん エンジンを慣らす

 どんどん まともに成らず

 少しずつ 壊れていく


 こんこん ノックを打つ

 かんかん 釘を刺す

 ぴちゃぴちゃ 目薬をさす

 一つずつ 消えていく


 君が 亡くなって

 わたしは 痛くなってしまう

 君は 「泣くな」って

 わたしに 酷なことを 言ってしまう


 胃の底から 全部吐き出して

 何も 無くなって

 わたしは 消えたくて

 誰かの 視線から 逸れたくて


 哭いた

 始めて 哭いた

 わたしのことは どうにでも なるから


 剥いだ

 加えて 剥いだ

 わたしの心 どうにでも するから


 びりびり 皮を剥いだ

 わんわん 夢で哭いた

 がりがり 爪で引っかいて

 少しずつ 詰めてひっぱって


 じゃりじゃり 砂を噛んで

 どんどん 叩きつけて

 ごりごり 指をくわえて

 見ているだけ


 わたしは 無くなって

 君に 逢えなくなってしまう

 どこかで 啼いている 

 君に 逢えなくなってしまう


 わたしは 吐き出して

 君に 伝えられなくなってしまう

 ぶちまけた 吐瀉物(としゃぶつ)

 その中に きっと 宝物も吐いていく


 全部 まとめて

 記憶に 留めて

 泣いて 哭いて 鳴いて 啼いて

 全て 箒で 掃いてしまおう

 剥いで 仕舞おう

 吐いて 終おう


 

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