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ザ・マン
その時、公園の入り口から痩せた青白い男の子が入ってきた
「助けて」
と愛は叫んだ
「何だよお前」
と目つきの悪い男の子が痩せた男の子に向かって言った
「何してんの」
と痩せた男の子が言った
目つきの悪い男の子が痩せた男の子を押した
痩せた男の子も押し返した
目つきの悪い男の子は痩せた男の子をぶとうとした
痩せた男の子はそれを躱しながら目つきの悪い男の子をぶった
「やったな」
目つきの悪い男の子は痩せた男の子につかみかかった
すると、痩せた男の子は目つきの悪い男の子の腹を殴った
目つきの悪い男の子は泣きだした
「行こう」
と痩せた男の子は愛に言った
二人は公園の出口に向かった
痩せた男の子は愛がさっきいた公園に行った
愛もそれに続いた
「君、名前はなんて言うの」
と痩せた男の子は言った
「愛」
「愛か、僕はザ・マンっていうんだ」
「うん」
「愛、よろしく」
「よろしく」
「じゃあまた」
そう言ってザ・マンは公園を出て行った
愛は手を振った