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愛とザ・マン

 愛とザ・マン、ジェラシ-、デカの4人は


 ヘイトに連れられ栗林の入り口についた


 「勝手に入っちゃまずいだろ」


 とデカ


 「先に入ったのは向こうだよ」


 と愛は言った


 「まあいっか」


 とデカ


 「彼の家を訪問したいだけということにしよう」


 5人は栗林に入った


 栗林の中は昼間なのに薄暗かった


 しばらく進むと前に白い四角い建物が見えてきた


 突然


 「ガウウウウウウ」


 という吠え声がして


 右手から大きな犬が出てきた


 「みんな大人しくして」


 とザ・マン


 「大人しくしていれば、多分襲ってこない」


 「それでも襲ってきたら戦えばいい」


 とザ・マンは言った


 大きな犬は周りをうろうろとしたが


 襲ってはこなかった


 四角い建物の入り口は一つだった


 デカは入り口のドアを開けた


 中は大きな広間になっていた


 部屋の真ん中に楕円形のテ-ブルがあり


 周りにいくつかの椅子があった


 左に上へ上がる階段があった


 5人はデカを先頭に上へあがった


 

 階段を上がるとそこは実験室の様だった


 机があり


 その上に様々なガラス器具が置いてあった


 「すげ-本当に悪魔なんじゃないの」


 とヘイトが言った


 「怖い」


 とジェラシ-


 「奥に扉がある」


 とザ・マン


 デカは奥にあった扉を開けた


 そこは書斎だった


 たくさんの本が本棚に収められていた


 どの本も子供向けではなく


 読めない漢字や


 外国語の背表紙が付いていた


 ザ・マンは興味深げに本棚を見て回った


 「もう帰りたい」


 と愛は言った


 「どうしたの」


 とジェラシ-


 「勝手に人の家に上がっちゃいけない気がして」


 と愛


 「確かに」


 とデカ


 「でもここまで来たんだからしょうがない」


 そう言うとデカは奥のドアを開けた


 そこは寝室だった


 ベッドが置いてあり、今まさにデビルがそこで薬を飲もうとしていた


 「なんだ、お前たち」


 とデビル


 「ごめんなさい」


 とデカ


 「あんたは誰だ、何で子供たちを連れている」


 とデビルは聞いた  


 「私は警察の物です」


 とデカ


 「警察」


 デビルは慌てて薬を隠そうとした


 「あ、その薬」


 とデカ


 デビルは素早く動いた


 左手で愛の手首を捕まえた


 「大人しくしろ、さもないと」


 とデビル


 「馬鹿なことはやめろ」


 とデカ


 「来るな」


 そう言ってデビルは右手で愛の首を掴んだ


 「僕を放してください」


 と愛


 「うるさい、こっちへ来い」


 デビルは愛を引き寄せた


 「愛を放せ」


 とザ・マン


 「代わりにお前を人質にしてやろうか」


 とデビル


 「そうしてくれ」


 とザ・マン


 「やなこった」


 とデビル


 「今から俺はこいつを連れて街を出る」


 とデビル


 「お前ら、誰一人としてついてくるなよ」


 デビルは愛を片腕で抱きかかえながら


 部屋を出た


 デカは携帯電話を取り出した


 ザ・マンはデビルの後を追った


 


 デビルが愛を抱えながら栗林を歩いていると


 痩せた青白い子供が追いかけてきた


 「ザ・マン」


 と愛


 「デビル、僕と戦え」


 ザ・マンが言った


 「ガキが、勝負になるわけないだろう」


 とデビル


 「愛を放せ、逃げるなら一人で逃げてくれ」


 とザ・マン


 「代わりに人質となるんだよな」


 とデビル


 「ああ」


 とザ・マン


 デビルは愛を下した


 「ザ・マンと言ったなお前の度胸に免じてここは引いてやる」


 とデビル


 「ありがとう」


 と愛


 「礼ならそいつに言え」


 とデビルは言った


 「友情、大切にしろよ」


 そう言ってデビルは走り去った


 「ありがとう、ザ・マン」


 と愛は言った


 「どういたしまして」


 とザ・マンは言った




 


「愛、無事だったか」


 デカたちが走ってきた


 警察のサイレンの音が響き始めた


 

 デカの携帯が鳴った


 「はい、そうですか、それは良かった」


 「デビルは逮捕されたらしい」


 「やった-」


 子供たちはいっせいに喜んだ


 


 


  


最後まで読んで頂き有り難うございました



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