第3話
私はパソコンを立ち上げて、つい先日購入したばかりのギャルゲーをコンティニューする。
ヘッドフォンをつけて、カチカチとクリックして進めていくと、
『わたし、あなたのことが好き。これからも一緒に、ずっと一緒に、死ぬまで一緒に居たいです!』
女の子は顔を赤くして上目遣いで私に告白をしてきた。
「ふひょー! ありすちゃんかわいいかわいいさいこー!」
つい感情を抑えきれなくなって、私はそう叫ぶ。
すると、絵里先輩と隆英君が、
「はぁー、またか葵子。お前はレズか?」
「そうですよ先輩。普通、ギャルゲーって男子がやるものですよね? それはおかしいです!」
と、またバカにしてくる。
「レズじゃありません! ちゃんと現実の男の子に興味ありますから! あと隆英君、そういうのは偏見っていうんだよ! 偏見、ダメ。ゼッタイ。 まずそれ以上に、あなた達の方がよっぽどおかしいですからね! 私が普通に見えるくらい」
目隠しをしながらのストリートでファイトする先輩。
同じく目隠しをしながらレッツリズムする隆英君。
「何を言ってるんだ青島。目隠しをして敵を倒すぐらいじゃないと世界の壁は超えられないんだぞ」
「そうですよ! あくまでこれはリズムゲーム。それなら目を使わなくてもフルコンできるくらいじゃないとダメなんです!」
「青島も目隠ししてギャルゲーやってみたらどうだ?」
私は目隠しギャルゲーを想像する。
絵が見えないで音だけが聞こえるというその状況。もどかしいもどかしい、わぁぁあああん!
「そんなんギャルゲーちゃうねん!!」