第13話
学校が終わって家に帰る。
「うひょー! 今日から秋アニメが始まるーっ! でもあのギャルゲーもやらへんとならんから、録画して明日観よっと!」
そう思って私は禁書、ウザメイド、ジョ〇ョ、ジュリエットを録画予約した。
翌日の放課後。
「よーし、はりきって観るぞー!」
学校帰りにコーラとポテチを買って、鑑賞準備は万端!
「え? あれ? 録画されてない!? ど、どうして……!? せ、線が抜けてる!? でもそしたら録画するときに気づくはず……」
「どないした葵子」
大学生の兄さんが愕然とする私に聞いてくる。
「USBが抜けてんねん! 録画できひんかったんや!」
「USB? ああ、わりぃ。テレビ台を動かしたときに抜けたんかもしれへん」
「ざけんなぁ! 返せ! うちのワクワクを返せぇ!」
「殴るなこのチビ!」
「チビやないわ! このノッポ!」
「ノッポでかまへん! 逆に褒め言葉やで〜、それ? さっすがうちのバカ妹はバカやわぁ」
「うるさいアホぉ! もう兄貴嫌いやっ! 死ね! このクソ兄貴ィ!」
「なんだとまめつぶ妹! もう小遣いやらんへんからな! ボケ!」
「タコ! たこ焼き!」
「は? たこ焼き? お前なんて串カツの衣や!」
「そんなら兄貴なんて串カツの串やで!」
「お好み焼きの粉みてーなチビが何言っとるんや。ほんまアホやなぁ」
「通天閣野郎!」
うちらが言い合っていると、母さんがこない言うてくる。
「お前らはほんま仲ええなぁ」
「「仲よくあらへんわ!」」