第12話
「テストまであと1週間だけど、勉強してるか? 特に蒼島」
「な、なんのことでしょうか!? というか蒼島葵子って誰ですか?」
「何すっとぼけてんだよ。今反応してたよなあ? 『な、なんのことでしょうか!?』って慌てて反応してたよなあ?」
「へ?」
しらを切り続ける私。
「今度赤点取ったらやばいんだよなァ? 留年危ういんだよなァ?」
「な、なんでそのことを!?」
「知らないわけないだろ! おまえ、いい加減勉強したらどうだ?」
「わかってるんですけど、頭の中で勉強してても体はギャルゲーをやってるんです! わかりますか!?」
「いや、わからん」
しばらくして私は謎の椅子に座らされていた。
「こ、これは一体……」
「勉強最適環境強制形成装置(拷問級)だ」
「な、なんですかその(拷問級)って!」
「特に深い意味は無い。とにかくこの機械は座った者に勉強の最適環境を強制的に形成してあげる装置だ。まず背筋をピンと伸ばさせるために、背中が丸まってきたら電気ショックが流れるような背もたれになっている。次に足の裏が地面に垂直に着くようにベルトで固定されていたり、足を開いたり組ませないように太ももの周りに無数の針をつけている。瞬きを5秒以上すると全身に電気ショックが流れたり、全く他の音が聞こえないように耳栓をして、頭が無駄に動かないように固定されている。無駄口を叩かないように、喋ると喉に刃が突き刺さるシステムが内蔵されている。腕も必要最低限の動き以外は規制されている。勉強最適環境を強制的に作ることによって蒼島も高得点が取れるだろう」
「その前に死んでまうわ!」