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※ 君と僕との出会いのキセキ 第九話 ~すれ違うクリスマス前偏 ~ ※

あらすじ:霧島祐也きりしまゆうやは目立たない少年。趣味は小説のWEB投稿。レオさんこと文月玲央奈ふづきれおなとの出会いで、彼の人生は変わった。早坂悠舞はやさかゆまの協力により、” 何か ”の上昇運のアクセサリーを買った。そして、玲央奈の誕生日がカウントダウンされる。


※ 君と僕との出会いのキセキ ~すれ違うクリスマス前偏 ~ ※



終業式が明日に迫る。玲央奈の誕生日がカウントダウンされる中、チャット上のレオさんは何故か段々気合が入っていくようだ。でも、学校にいる玲央奈は普通なんだよなこれが……。クラスも席替えがあり、僕と玲央奈は以前と違って、反対になった。今度は僕が彼女を見る状態になる。


(ま、見る側になっても、授業は真面目に受けるし、休憩時間は相変わらず顔伏せてるから変わらないんだけど……ね)


そう思いながらも、さすがの僕もチョットだけドキドキしていた。クリスマスなんて家族からプレゼントを貰うだけと思っていた。年月が過ぎ、それもなくなり、ただの世間のイベントだと思っていた。それが、今年こんなことになるとは思わなかったなぁ……と、ふと考え事をしていると先生からご指名があった。


「さて、この問題を……文月さんを見ている霧島君に解いてもらおうかしら」


「え? あ、はい! 」


驚いた僕は気合を入れて反応してしまった。ご丁寧に起立までして。教室は大爆笑に包まれた。よく分からず立ちすくんでいる僕に突き刺さる目を感じた。僕の視界の隅に睨みつける玲央奈の姿。……だけどチョットだけ顔が赤かった気がする……。

 ちょっとハプニングがあったけど、次の日。終業式は滞りなく終わり、僕は小説を書きまくることができると喜んだ。だが、休みの日のレオさんは暇があるとチャットをご所望される……どういう事だ。

そしてとうとう、レオさんこと文月玲央奈の誕生日、一二月二十五日だ。イブはお互い、家族で過ごし、今日が本番( ? )と言う訳で、早速玲央奈に会う準備をする。玲央奈の選んだ高級服と、香水。それに、溜め込んだ小遣い。よし、準備万端だ。取り敢えずはプレゼント渡すだけだから荒れることはない……ハズ。ある程度準備もでき、時間がないから慌てて部屋を出ようとした途端、僕の部屋の扉が開いた。


「オイ、祐也。大変だ」

「え? あ、兄貴? 」


急に部屋に入ってきた背の高いイケメン、こと僕の兄貴、霧島隼人きりしまはやと。僕と正反対の男……だ。普段は僕の部屋はノックして入る。しかし、あまりいい話じゃないのだろう。慌てている。


「おじさんが体調を崩して意識がなくなった。直ぐに病院に行くから準備しろ。万一のことも考えろよ」

「え、ええ? 」


僕は慌てた。玲央奈が待っている。しかしこの状況だと行かないといけない。


「ちょっちょっと待って電話するから」

「それどころじゃないから早くしろ! 」


僕は慌てて、部屋にある黒服を探しながら電話した。でも何故か繋がらない。どうして……と思っていると、やっと玲央奈が電話に出た。


《ちょっと何してるのよ! 早くしなさい! 》


「あ、そ、それなんだけど……」


「オイ、早くいくぞ! 」

「え、ちょっと待てよ! 」


兄貴に押され、僕はスマホを落とした。その時に僕は玲央奈に事情を話すことができず一言、彼女に言葉が届いていた。


” ごめっ、 無理! ゴトンッ ”


その音と共に、僕は、兄貴に連れられて、家族の待つミニバンに乗せられたのだった。車はおじさんのいる病院へと向かう。僕はスマホを落とした。もう、玲央奈に連絡できない。電話番号も便利なもので、メモリ登録してただけで、僕自身覚えていない。


「……終わった……」


おじさんの体調と一緒に、僕と玲央奈の関係も崩れてしまうかもしれない……。何もかも終わってしまった。兄貴や家族にそんな話をしても反対に叱られるだけだ。大きなため息をついていると、隼人は気を使うように話しかける。


「すまんな、強引に連れ出して。だが、このことは俺たちにとって同じぐらいに重要だろ? おじさんは俺たちに良くしてくれた。一刻も早く会ってあげないといけないんだ」


おじさんは僕たちに良くしてくれた。兄貴に至っては、外国にいく留学費を出してもらったりしている。そんなことは、分かっている。分かっているが、でも、やっぱり僕にとって玲央奈は……え? 玲央奈は、僕にとって何なのだろう。僕にとっておじさんの元へ駆けつけるのと同じぐらい玲央奈と会うことは大切ということなのか。


「…………」


僕は押し黙った。幸いなことにまだ香水はつけていない。家族には色々説明しないといけない状況にはならなかった。だが、玲央奈と会うことができなかったのが、今後支障が出ないだろうかと怯えてしまいそうになる。

 そんな最中、おじさんは僕たちが病院に着く前に亡くなってしまった。病院についた僕たちは無力にもおじさんの亡骸を見つめるしかなかった。


” その後、僕たちはおじさんの家に行き、一日を過ごした ”


次の日、おじさんの亡骸が家に到着し、通夜は始まった。皆で故人を悼み、おじさんの昔話に花が咲いた。通夜は家族だけということだったのだが、おじさんの人柄というものもあり、平日でありながら、沢山の人がおじさんの死を嘆いていた。僕もおじさんの顔を見た。化粧をしてもらって、とても幸せな顔で寝ている。急に起きて来るんじゃないかと思うぐらいの安らかな顔だった。だが、当然ながらおじさんの体はとても冷たかった。


「……これが、死……」


僕は生まれて初めて人が亡くなった姿を見た。小説では似たような事を書いたことがある。皆むせび泣いて、故人の最後を看取った。と書いたが、現実は違う。本当の悲しみというのは、そうそう涙が流れないのだ。まず、現実を受け入れられない……外を見ると、ちらほら雪が降っていた。昨日も雪が降っていた。玲央奈も雪で冷たくなっていなかっただろうか、と心配になる。そんな時、通路側で、兄貴の声が聞こえた。どこの言葉か分からないけど、外国人の知り合いと話しているのだろうか。


「Sì, l'energia di lunga data fu usata? questo un funerale è--Lei--come--? 」

(よう、久し振り元気にしてたか? こっちは葬式だ、お前はどうだ? )


よく分からない。しばらく兄貴は談笑しているが、途中で「え? 」と言うと、表情を曇らせた。それからは聞き役になり、電話を切った。僕の姿を認めると、兄貴は苦笑いをして話しかけてきた。


「俺の友達だ。妹が外で待ち合わせをしていたらしいんだが、無理をして風邪をひいたらしい。誕生日だったのに大変だ」

「そう、なんだ」


僕は笑えなかった。もしかしたら玲央奈も……そう思うが、僕は何もできない、無力だった。

 そして、そのまま僕はおじさんの家に泊まり、次の日、葬式となった。その日もいろいろあり、玲央奈の事は分からなかった。

 

 葬式が終わり、その日の夜、何とか小説は更新出来た。最近書けてないからかなり無理をした。だが、更新をしても、レオさんからはコメントが来ることがなかった。もう、嫌われたのかな。


次の日も、ブログにコメントがなかった。今までこんなことなかったのに……相変わらず電話しても繋がらず、メールも戻ってこない。自分のせいだ。そう思うといてもたってもいられず僕は――


” 家を飛び出すと、僕は彼女の家へと走っていた ”



すれ違うクリスマス前偏END



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