※ 君と僕との出会いのキセキ 第八話 ~クリスマス前夜の日? ~ ※
霧島祐也は目立たない高校生。趣味は小説のWEB投稿。レオさんこと文月玲央奈と出会い彼の人生は変わった。そんな中、祐也は早坂悠舞と出会い、玲央奈は彼女との関係に警戒を強める。だが、玲央奈の祐也改造計画はまだ始まったばかり予断は許されなかった。
※ 君と僕との出会いのキセキ ~クリスマス前夜の日? ~ ※
ふとしたことで、知った。というかレオさんが自分で言い出したんだが。
『そう言えば、そろそろ私誕生日なんだよね~』
唐突もなく言ってきた。季節も冬、クリスマスが近づいている。駅前の商店街もクリスマスソングが鳴り響いている。僕には関係ない……関係ないはずなんだけど……
『へぇ~そうなんだ~誕生日オメデトー』
『……アンタ、適当に言ってるでしょ……』
いや、別にそういう訳じゃないけど。誕生日近いって言うから言っただけなんだが……玲央奈お嬢様はお気に召さなかったらしい。
『誕生日は一二月二十五日よ。ちゃんとしなさいよねっ』
ん? ちゃんと……何をするんだろうね。コメントできずフリーズする僕にシビレを切らしたのだろう。彼女から切り出した。
『オイっ! 女の子がここまで言ってるのに分からんのか! 』
あ、ああ、そういう事か……
『分かったーじゃあ二十五日にプレゼント用意しておくよ。学校で渡すのか? 』
ここで彼女のコメントがフリーズした。多分、呆れたのだろうか?
『なんで学校? 別に外でいいじゃないの。アンタ本当にバカ? 』
ん? 今日のレオさん玲央奈節が出てるなぁ。取り敢えずどんなプレゼントがいいんだろうね。
『で、プレゼントは何がいいの? 』
僕のコメントにレオさんは静かになる。そしてしばらくするとコメントが来た。
『自分で考えなさいっバカ! 』
何か、今日のレオさんは興奮してるのだろうか。僕に期待しても何もないのになー。だけど、本当に何をプレゼントしたらいいんだろう。そう思った僕は取り敢えず最近知り合った早坂さんにメールを送る。すると、早坂さんから返信が来た。
『ん~私にはよく分からないですね。でも言われるのは、自分がプレゼントされて嬉しいものが、嬉しいとは聞きますけど……。誰にプレゼントあげるんですか? 』
自分が送られて嬉しいもの……玲央奈からプレゼントされて嬉しくないものはなかったけど。内容が違うよね。
『前に早坂さんが見た女性の人だよ。クリスマスに誕生日なんだって。んでプレゼントよこせというので悩んでます』
『よこせって……すごい人ですね。でもそれってプレゼントを口実にしたものじゃないんですか? 』
え? 口実にした何だろうね。玲央奈に関して僕はよく分からない。レオさんは優しいけど。
『例えばどんなの? 』
そう言うと、早坂さんからの返信が途絶える。アレッと思って、小説を書き出すと、メールが来た。
『正直……わかりません。あ、そうだ今度一緒に見に行きましょう? もしかしたらいいものが見つかるかもしれないし』
お、これは好感触。一人で探すよりいいかもしれない。僕は二つ返事で了解したのだった。
そして、土曜日僕は、玲央奈からもらった数点の服をアレンジして出かけた。コートだけはあのままだけど、今回はカジュアルにしてみた。ちょっと寒いけど、コートで寒さが防げるからいいか。僕が予定より少し早く着いたのだが、早坂さんは既に待っていた。彼女は髪の毛をツインで垂れ耳のように結んでおり、見た目がワンコみたいで可愛かった。普段の童顔が更に小型犬のような愛らしさを感じさせる。ダッフルコートを羽織っているので、服装はわからなかったけど、コートがスカートに見えるほどすっぽりとハマっていた。
「あ、霧島君! 」
「こんにちわ、早坂さん、今日はよろしくお願いいたします」
早坂さんが手を振ってくれる。僕は手を振り返して、彼女の前に着くと、挨拶をした。すると早坂さんは「そんなにかしこまらなくてもいいよ~」と言っていた。彼女と改めて商店街を歩く。百貨店などは高すぎるので、こういう専門店で探すのがいいらしい。
「大丈夫だよ~こういうのは値段じゃなくて、気持ちなんだから」
早坂さんはとても上機嫌に答える。フムフム、そんなものなのか。でも、僕の前でチョコチョコ歩く彼女は本当にワンコに見える。腰に毛の塊のようなものをつけてるからしっぽに見えるし。い、いかん。何か無性に頭を撫でたくなる。
「あ、これなんかどうかな~」
ふと、早坂さんは天然石のブレスレットのコーナーで立ち止まる。立て看板には、アナタの恋愛運上昇とか仕事運向上とか胡散臭い感じがする。早坂さんは目をキラキラして天然石を見ている。
「ん? 早坂さんはこういうのが好きなの? 」
「うん。だって、いいじゃない。恋愛運とか上がるんだったら何だって。女の子の夢なんだから」
ほぅ。と思って聞いていると何か彼女の腰にあるしっぽがフリフリしてるようにも見える。本当にワンコ……だよなぁ。何かウズウズする。早坂さんはチワワとかパピヨンみたいな小型犬のような感じだな。玲央奈は、バーニーズマウンテンドッグのような雄大さを感じる……。かなり失礼なことを考えていると、早坂さんはモジモジしていた。そして、上目遣いで僕を見てる。
「ん? 早坂さんこれ欲しいの? 」
僕としてはかなりホームランを打ってしまったような感じだった。早坂さんは自分が望んでいた言葉を聞けて、顔を真っ赤にしながら高速で頷く。僕から代金を受け取ると、早坂さんは僕に見えないようにサッとブレスレットを購入して、ポケットに入れた。
「アレ? せっかく買ったのにすぐ付けないの? 」
「あ、うん……今日はちょっと……ね」
早坂さんは慌てたように言う。うん、僕には全くわからない。でも、早坂さんは満足だったらしい。あ、玲央奈のやつ忘れてた。同じのでいいか? 適当に僕はブレスレットを取り、会計した。早坂さんは僕が買ったブレスレットをジッと見ていたが、会計が終わるとホッとしているようでもあった。
買い物が終わった僕たちは、玲央奈が僕を誘った喫茶店に行ってみる。すると、マスターらしい人が驚いて見つめている。アレ? 僕何かしたのかな……コーヒーを頼むと、早坂さんはパフェが食べたいという。玲央奈と同じパフェを頼むと嬉しそうに食べていた。そんなにここのパフェは美味しいのか?
「あ、霧島さんも、いりますか? 」
早坂さんはおずおずとスプーンを差し出す。頬が赤い。何となく良くない予感を感じた僕は大丈夫と断る。すると、彼女はシュンとした感じで視線を落とした。僕何か悪いことしたのだろうか……
彼女と別れて、僕は家に帰る。そして、プレゼントの袋を机にしまった。後はPCを開いて、小説を書くだけだ。と思ったらメールが来た。
『今日はとても楽しかったです。また何かあったらお力になりますよ。それではおやすみなさい』
律儀な子だなぁ。と思い、『僕も楽しかったです。また今度一緒にお出かけでもしましょう』と打っておいた。さて、小説を……と思うと、レオさんからコール。よく見ると何回かコールしてるようだ。PCを起動したまま出て行ったのが悪かったなぁ。キャッチすると当然の如くお叱りが来たのだった。そして、チャット終わるとあら不思議、就寝のお時間。
……また小説書けなかった……
失意の中、僕は明日の学校のため、床に入ったのだった。
クリスマス前夜の日? END




