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ちゃっかり者だけどツンデレがあれば関係ないよね

相川聡史は負けず嫌いで生意気でチャッカリ者である。

その性格故に同年代から嫌われ、年上に可愛がられ、年下に大人気ないと言われる毎日。

所有しているアンドールである黒猫のキッドは、皮肉屋ながらも大人な性格である。


そんな相川聡史は今最も苦手にしている人物が、同じエリア内の仲間である竜宮健斗と鞍馬蓮実である。

鞍馬蓮実は熊のような体で、おおらかな心と包容さを兼ね備えている。

おかげで相川聡史が生意気を言っても、愛い奴めーと可愛がられ恥ずかしい気持ちで一杯にされる。

さらに力もあるので引き摺られるわ、背が高いので頭を撫でられるわ散々な目にあっている。


次に苦手な竜宮健斗は同い年であり、自分を負かしてエリアボスになった少年である。

生意気を言っても受け流され、拗ねてみれば純粋な瞳で訴えてくるので大変厄介である。

ただでさえ負けている相手だからプライドを傷つけられているのに、偉そうにしないのも腹が立つ。


他二名の瀬戸海里と崋山優香はまだ良い方だ。

瀬戸海里は思ったより大人な対応で宥めたり話しかけてくれ、崋山優香は細やかなとこにまで気が付く。

前に崋山優香が差し入れのお菓子で自分の好物を買ってきてくれて、嬉しかった覚えがある。

なのでこの二人には苦手意識はない。


しかし苦手意識がある二人に対して、相川聡史は嫌悪感などは抱いてなかった。

むしろここまで関ってくる四人に対し、変人の類かと疑い始めているくらいである。

相川聡史は良くも悪くも自分の性格について、ある程度は理解していた。

そのためここまで仲良くしてくれる同年代の子供達がいるとは思っていなかった。

もちろん友達はいるが、どこか表面的な付き合いだった。

しかし四人に関ってから、内面的な付き合いも増えたと感じている。


だからって素直になるわけでもなく、相変わらず生意気なことを言う。


「健斗ってさ、テスト平均何点なのさ?」

「へ、いきん………だい?」

「あー駄目駄目。ケンは平均の計算式も出来ないから」


意地悪で言ったことが通じず、むしろボケ返しされて言葉を失くす相川聡史。

馬鹿でゴメンなーと謝る竜宮健斗に対し、なら賢くなれよっと思わずツッコミを入れてしまう。

そんな相川聡史に対し、崋山優香が諦めた顔で無理無理と首を横に振る。


「計算か!?なら算盤得意なオイラにまかせるんよ!!」

「アンタの話は聞いてない、ってかその外見で算盤得意とか意外性ありすぎだろ!?」


本当に算盤片手に話に乱入してきた鞍馬蓮実は、次々と珠を弾いていく。

実は電卓計算よりも早く結果を出すので、指先が見えないほどである。


「聡史君がいると会話のテンポがいいね」

「それ褒められてる気がしないよう、そうでもないようなっ!?」


もうツッコミにもならない相川聡史の言動。

そんな光景を眺めつつ、セイロンがキッドに対し呟く。


<聡史はいいキャラしてるな…見ててなんか和む>

<だろ?憎めないだろう?>


少し親馬鹿発言に近いキッドの言葉に、セイロンは同意する。

相川聡史は負けず嫌いで生意気でチャッカリ者であり、エリア事務所内では愛されキャラになっていた。

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