7.本心
訪問有り難う有り難う御座います。
いよいよ最終突入です。
図書館へ行くため並木道に向かうと、そこには和斗がいた。周りには人が集まっている。
友人だろうか。楽しげに肩を叩いたりしていた。
「……ちょっと、待とうかな」
和斗は怖くなくなったが、元々異性は苦手である。5、6人の男子生徒の輪に近づくなど、勇気がいる。まして、和斗に声をかけることなど出来るはずもない。
前のように約束をしているわけでもなかったので、一人で行ってもよかったのだが、何となく一緒に行きたいと思った。
取り敢えず話が終わったら声をかけに行くことにしよう。
水面は今日返す緑の華を開くと、校舎影に座り込み、待つことにした。
はらりはらりと桜が本に乗る。それを毎度払いながら読んでいると、ふと話の内容が耳に入ってきた。
まさか、聞こえるとは思っていなかったので、慌てて意識を逸らそうとするも、会話内容に興味が沸いた。
「あれ、和斗何持ってんの」
「あ、ちょっと返せよ」
「本!? お前本なんか読んでんの!?」
友人達は、和斗が本を読むことを知らないのだろうか。
確かに、見た目はあれだし、読むようには見えない。仕方のないことだろう。
「てかさ、お前本嫌いじゃなかったか?」
「えっ――」
思わず顔を上げ、和斗達の方へ顔を向けていた。
今、何て言った?
「読んだら、毎回寝てたよな」
どういうこと――?
「何? 好きになったの?」
どくりと胸の奥が脈打つ。
「嫌いだよ」
ぱっと、泉が湧いたかのようだった。一瞬にして、視界が歪む。
意味が 分からない。
理解 不能だ。
歪んだ視界の先に、和斗の姿がある。
「そういやさ、あの話どうなってんだよ」
嫌だ、もう聞きたくない。
「ん? あの話って何」
「ほら、あの。図書館の女の子」
自分のことだと、すぐに分かった。
耳を塞ぎたくても、体は言うことを聞いてくれない。
逃げ出したい。
「どうなったんだよ、その後」
「あぁ……」
もう――無理だ。
「水面?」
「っ――」
今まで動けなかったのが嘘みたいに、水面は駆けだしていた。
痛い。苦しい。痛い。痛い。痛い――




