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蒼の誓い  作者: 望月ゆず
1章 二つの顔
3/3

1-3 〈化け物の姫〉

「これから一限の授業を始めます。」

教室は静まり返り、一限目の座学が始まった。


窓の外の小さな光が机の上の教科書を照らす。


エレオ先生の声が響く。

「さて、今日の授業はこの国の魔術師の歴史についてです。」


黒板に文字が書かれ、クラスメイトたちは真剣な眼差しでノートを取る。

ラナも静かにペンを握りながら聞き入った。


ふとした話題が飛び出す。

「先生!この国トップの魔術師って何人いるんですか!」

クラスの1人が手を挙げた。


「はぁ、そんなこともわからないのかー?

〈深淵の導師〉、〈紅蓮の魔王〉、〈大地の守護神〉、〈光舞う聖女〉、〈氷華の姫〉。

そしてこの学園に通っている3年生、〈疾風の射手〉の6人だ。

よく覚えてくように!!」

エレオ先生は少し早口で説明をした。


この学園に〈疾風の射手〉がいることは周知の事実なので、皆驚いてはいない。


「あ、そういえば先生!

このトップの魔術師たちのフルネームってなんですか?」

とクラスメイトが興味津々に質問する。


「ちっちー、トップの魔術師様たちは基本フルネームを公開していないんだ。

確か下の名前だけだったかな?

数人フルネーム公開している方もいるけど。

確か、お前たちの先輩の〈疾風の射手〉は公開してるな。

レオン・ブリーズだったっけか?」

とエレオ先生は答えた。


その時、カイル・フォルスが手を挙げて早口で言った。

「そして、皆知っていますか?

〈氷華の姫〉様はなんと()()という名前だそうです!」


―カイル・フォルス。

同じクラスで〈氷華の姫〉の大ファンであり貴族。

つまり、ラナの大、大、大ファンである…


「えー!そうなの?ラナ同じ名前じゃん!!」

とリリィが少し興奮気味に話しかけてくる。


ラナ・グローリアと同じ名前…

ラナは心臓がバクバクと早鐘のように打つ。

「偶然ね…」

と冷静を装い言葉を返すしかなかった。


「はいはい、皆さん私語は慎んで。

〈氷華の姫〉はラナとは関係ないことがわかるだろう。」

エレオ先生が自然にラナを庇ったおかげで、ラナは少し安心した。


そしてその言葉にクラスメイトたちが頷いた。


「先程話が上がった〈氷華の姫〉なんだが、

皆知ってると思うが…で魔術が使えるんだぞ」

エレオ先生はそうハキハキと言った。


クラスメイトたちがキラキラ目を輝かせながら聞く。


魔術を人間が使用する時は基本的に、

詠唱と杖が()()となる。


だがその常識を覆したのが〈氷華の姫〉、

別名〈化け物の姫〉である。


「そう、この詠唱と杖が必須という常識を覆したのが〈氷華の姫〉様なんだ!

世界でこの魔術師のみ、詠唱と杖を使わずに魔術ができてしまう天才なんです!!」

カイルが興奮気味に説明した。


そう、〈氷華の姫〉は人類初、

詠唱と杖を使わずとも魔術ができてしまうのだ。


それは歴史的の快挙であり教科書にも大きく載るほど。

その載っている張本人がラナだということは誰も思わず―


ラナはずっと心臓をバクバクにさせていた。

(やばいどうしよう、エレオ先生が庇ってくれたからよかったけど勘づかれてそう…)

いつも基本冷静なラナが珍しく焦っていた。


その後も授業は進み、魔術師の歴史や偉人たちの功績が黒板に映されていく。

ラナはノートに筆を走らせながらも、心の中で微かな不安を感じていた。

誰も、私がその氷華の姫と同じラナだとは思うまい―

エレオ・セレンディアはラナ・グローリアが〈氷華の姫〉であることを知っている学園関係者の1人です。

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