表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫と、吸血鬼(ただし幼女)と、ハロウィンと  作者: 真野真名


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/12

(12話)うっそー! 運慶・快慶がモデルにしたらしい?



「次元が不安定です! もっと魔力を!」


「ルーナ! 魔力を送って!」


「ダメです! 共鳴が間に合いません! “母さま”の光を──知識を力に!」


 わかった! わたしは叫ぶ。


「──トリック・オア・リード!」


 部屋中の本を通して、白い光が降り注ぐ。


 世界が揺れた。


 ミミを抱きしめたわたしは、光に包まれた。


「マスター……この子らを導いて」


 巫女さまの祈りの声が遠くで響いた。



・・・・


 光が消えたあと、書庫には一冊の本が落ちていた。


《二つの世界を繋ぐもの――愛と約束》


 巫女はその文字を見つめ、ふっと微笑む。


「母さまの日にふさわしい、いい物語ですね」


 二つの太陽の下、子どもたちの歌が街に広がっていった。


・・・・




 光がゆっくりと薄れていく。


 わたしはまぶたを開ける。頬にあたる風がやさしい。草の香り、遠くで鳴く鳥の声。


 その世界の空は――ひとつの太陽だった。


「……ミミ?」

「成功? 帰れた?」


 いつも自信満々のミミが、少し不安そうに見えた。まだ少し震えているが、毛並みには白い光が残っている。


 周囲を見渡すと、緑の丘の上に立っていた。彼方には森、道の先には古い石橋と川。


「お城の中じゃなさそうね……」

 けれど見覚えがあった。

 去年の年末に、父さまに連れて来てもらった場所に似ている。



 ……帰って来れた?


 空には、見慣れた太陽が沈みかけていた。

 まだ夜になっていない?


「うん。無事に帰って来れたね。これが次元門の守護者たる黒猫族の力さ」


 もう、さっきまでの不安そうな顔はどこに置いて来たのさ。


 ミミがしっぽを揺らした。


「ここは人間界だね。でも、なんか変な感じがするね。空気の質が少し違う」

「え? 人間界? 元のところに戻れるって言ってなかった?」


「転移の瞬間の揺らぎで、少し座標がズレたみたいだね。でも、ここなら普通に魔法は使えるから、いつでも戻れるよ」


 いつでも戻れる。なぜだかわかんないけど、まだ夜になってない。時間はたっぷり。


 ふふふふ。ハロウィン! お菓子!


「いつでも戻れる」――その言葉って最高!

 まだ遊べるよって言う魔法の言葉ね。


「じゃあ、この人間界も楽しもう!」

「ちょ、ルーナ! お菓子はもう十分だろ! 一旦帰ろうよ。気になることもあるし」


「だって、最初はここに来るつもりだったのよ。ちょっと寄り道しちゃったけど、これからが本番よ」


『これからが本番って……。あれが寄り道だとしたら、すごくハードな内容だったよ』


 ミミの念話は、諦めと疲労が混じった、「やれやれ」な感情が伝わってきた。


 その場に座り込んで魔力を回復するミミを横目に、わたしは早速辺りを見回した。


「あ、あそこの橋の向こうが街ね」


うずくまって毛づくろいしているミミを、つかんでわたしは道を走り出した。


「まってておかし〜! ルーナが行くわよ〜」



・・・・


 二人は夜の街へ駆けだした。

 ルーナのマントがひらめき、ミミのしっぽが星を弾く。

 月は高く、穏やかに照らしていた。


 ──その頃、お城では。


 ルーナは知らなかった……。

 ミミが開けた次元穴のそばで、ルーナの父さまと母さまが衛士たちと共に仁王立ちしていたことを。




 ──その頃、“母さま”の世界では


「あの子達は無事帰れましたか?」

「少し座標がずれたようですが、無事元の世界に」


「そうですか。まさかこんなかたちで……」

「異世界からの流入者とはいえ、気にかけすぎなのが気にはなっていましたが。何か理由が?」


「良いのです……無事でさえあれば……」



 ルーナとミミのハロウィンの冒険はこれでおしまい。


・・・・



「うーひどい目にあった。父さまたちがこんなに早く帰って来てたなんて」


「ボクも長老から、当分次元魔法禁止って言い渡されちゃったよ」


「冬には使えるよね?」

「どうして?」


「クリスマスだっけ? 子どもがプレゼントをもらえる日があるんだって!」



「…………」







これでルーナとミミのハロウィンの冒険は終了です。


ハロウィンまでに終われてよかった♪





☆次回予告☆

『ルーナ、サンタクロースにケンカを売る!? “プレゼントは予約制なの!?”の巻』


え?

え??

えーーー!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
続きは12月になるんでしょうかな?? さてどんな話があるのやら??
ルーナちゃんいい子ですね。ハロウィンまでにとは言わず、もっと続けてほしいです。 サンタの話は2部ということにして、この続きから読めるととても嬉しいのですが……だめ?
2025/10/17 20:20 おいしいポークたまごごはん
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ