いざ魔物討伐へ
ノールは魔物討伐の依頼を達成することができるのか
ノールは夢を見た。
魔物に村を襲われたときの夢だ。
いざ魔物討伐に行こうという当日に嫌な夢を見てしまった。
「もう自分はこのときのようにただただ突っ立っているだけの自分ではない。」と自分に喝をいれた。
嫌な夢を見てしまったがやることは変わらない。
「早く魔物討伐に向かおう」そう心に決めた。
しかし、レイン様たち漆黒の闇のみんなはあのときからあまり立ち直れていない。
まあ、無理もないことだとは思う。
全員命に別状はなかったがあと一歩のところで魔物に殺されていたと思うとどんなに強い冒険者でもトラウマを植え付けられる。
ましてや、目の前で仲間たちが傷ついていくのを見ていて何もできなかったのだから余計そのような思いになっていただろう。
それでも少しずつではあるが立ち直ろうとリハビリをしている。
「絶対レイン様たちをこんな目に遭わせた魔物は許さいない。」そう心に決めた。
ギルドについて依頼を受け魔物討伐に向かっているときふと思い出したことがある。
前に村に来た商人がこんなことを言っていた。
「こんな噂を知ってるか」
「なんだよ」
「この世界には、スキル玉というものがあるって言うもんだ」
「なんだよそのスキル玉って」
「まあ、そんなに焦りなさんな。スキル玉ってのはよそれを手に入れることができると新しいスキルが手に入るというものなんだよ」
「なんだよそれ。すごいものじゃねえか。でもその話はどこで入手した情報なんだ?」
「自分も詳しくは知らないが遠く東の方の国でこんな噂が広まってるらしい」
「なんだ真偽が定かじゃないのか」
「まあ、信じるか信じないかは人それぞれですからね」
そんな会話をしていたのをふと思い出した。
「その話が本当なら、新しいスキルでみんなをより助けられるかもしれない」
「頭の片隅にでもおいておくか」
そんなことを考えていると目的の場所に到着していた。
今日受けた依頼はゴブリン退治だ。
弱い魔物だからと行って油断していたらやられるってギルドの人も言っていたから細心の注意をして戦いに挑まないとな。
「それにしても、ゴブリンの数がとても多いな」
ギルドの職員も最近魔物が大量に発生していると言っていたし何か原因でもあるのかな。
そんなことを考えているとゴブリンたちが一斉に襲ってきた。
ノールは買ったばかりの剣を使い上手くゴブリンたちを倒していく。
そして、最後の一匹を倒しきり魔石を集めようとしたとき通常より大きいサイズのゴブリンが現れた。
これはマズい、と思い逃げようとしたが時既に遅く目の前まで迫ってきていた。
このままでは、やられると思い戦うことを決意する。
これまで戦ってきたゴブリンとは違い攻撃を当てても当てても全く倒れない。
でも、ゴブリンもダメージは受けてはいるはず。
でも、それ以上にノールの体力は限界を迎えている。
攻撃は受けては無いが数回、もしくは1回でも当たれば殺されてしまうかもしれない。
ノールは最後の力を振り絞って今日一番の一撃を放った。
すると、ゴブリンは倒れ魔石に姿を変えた。
「やっと倒せた~」
ノールはその場に寝転がった。
でも、ゆっくりはしていられない。
早く帰らないと日が暮れてしまう。
急いで魔石を集めて袋にいれていく。
でも、1つだけ他の魔石と晃かに違うものがあった。
それを手に取った瞬間
「ノールは新しいスキルを獲得しました」とアナウンスが頭のなかに響いてきた。
そのスキルとは『鑑定』というものだった。
『鑑定』スキルとは自分や相手のステータスを見ることができるものだ。
ただし、相手のステータスを勝手に盗み見ることはできない。というものだった。
これで、自分の実力がギルドに行かなくてもわかるようになった。
「もし、相手に勝手にステータスを見られてしまったらスキルを2つ持っていることを多くの人に知られてしまう心配をする必要がなくなったというわけか」
「そう考えるとよかったのかもな『鑑定』スキルで」
「でも、これであの商人が言っていたことは事実だとわかった。」
「この事を主人であるレイン様に伝えるために早く家に帰ろう」そう思うノールだった。
読んでくれてありがとうございました。