奴隷としての暮らし
奴隷になってしまったノールはどうなるのか
レインは奴隷になってしまったノールに漆黒の闇の家事を全部任されることになった。
両親の手伝いをしていたノールにとってさほど苦ではなかった。
3人はとても優しくて奴隷ということを忘れてしまうこともあった。
それから5年
当時は気にならなかったらノールも成長してそういうものにドギマギしてしまう年齢になったのだ。
レインたちは全く気にする様子もないが洗濯はとても大変だ。
「まあ、自分は奴隷の身なので何をしでかしてもどうにかできるからどうでもいいんだろうな」そう心の中で結論付けた。
食事も掃除もうまくできると誉めてもらえるし暴力もなく楽しく暮らしていた。
『奴隷』のスキルはハズレだと思っていたけど隷属する人によってはだいぶマシなものだなと思っていた。
そして、そんな日々を過ごしていると突然メンバーが大ケガをして帰ってきた。
話を聞くと突然ボス級の魔物が現れて命からがら逃げてきたのだと言う。
この日も朝からギルドに行き依頼を受けて魔物討伐に向かっていった。
「早くこの依頼を終わらせて家で美味しいご飯食べたいね」
「そうだね」
「でも最近つい食べすぎちゃうんだよね」
「ノールが作るご飯がとても美味しいからね」
「最初は奴隷なんてと驚いたけどとてもとてもいい子でよかったよね」
「そうだね。ノールも最初は戸惑って失敗を多かったもんね」
「まあ、早く依頼を終わらせて家に帰ろう」
その後、いつも通りに魔物を倒してギルドに帰っていたとき、巨大な魔物が現れて必死に戦ったが歯が立たなかったということだと言う。
帰ってきたときにはレインは立っているのもやっとという状態であった。
街を駆けずり回って治療してくれる病院を探して3人を連れていきなんとか治療してもらつた。
そんなことがあって、数ヵ月は冒険に行かなくなった。
そんなある日のこと、お金も減ってきて大変な状況になっていた。
「このままだとみんな死んでしまう」
そう思ったノールはなんとかしようと決意する。
その時、『奴隷』スキルの新たな能力が発現する。
それは、主人の奴隷として暮らした時間が長ければ長いほど強くなると言うものだった。ただし、主人が変わってしまうとリセットされる。
6年もの月日を奴隷として過ごしたノールはとても強くなっていた。
ノールは冒険に出られない漆黒の闇のみんなの代わりにお金を稼ごうと思った。
最初は主人の命令がないと自由に動けないので主人であるレインに許可をもらって冒険者になることを認めてもらわなければならない。
「レイン様どうか僕を冒険者にすることをお許しください。おねがいします」
「いいよ」
案外あっさりとりとしたもので簡単に受け入れられた。
少し気張っていたのが恥ずかしくなってしまった。
「まあ、それでも冒険者になっていいと言うお許しが出たのでまずは冒険者ギルドに行って冒険者登録をしないとな」
無事冒険者登録を終わって依頼を受けようと思ったが、自分の実力がわからないので『鑑定』スキルを持っているというギルド職員のもとに行ってステータスを確認してもらうことにした。
すると、どのステータスも常人より遥かに高くて驚かれてしまった。
ノールはギルドの計らいにより普通はEランクスタートのところをCランクからのスタートにしてくれた。
でもまだ、武器も何もないのでまずは安全なクエストでお金を貯めて武器や防具などを揃えるところから始めることになった。
ドブさらいの仕事や土木工事の手伝い、はたまた猫探しの依頼などをして少しずつお金をためていった。
お金をためるのはとても大変で3人の食事代なども考えると一日フルで働いてもほとんどお金が手元に残らなかった。
それでもこつこつ依頼を達成していき目標の金額まで貯めることができたときには1年も経っていた。
「やっと目標の金額が貯まったー」
その間にもステータスは上がり続けていてさらに強くなっていた。
ここからは魔物も倒せるようになるしよりたくさんのお金を貯めることができるようになる。
今日は武器や防具を買って万全の状態で明日から依頼を受けようと思って眠りについた。
読んでくれてありがとうございました。