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プロローグ 3

 じっとコースの先を見据え。上り坂を上り切ると、ややゆるい左カーブで、下りになる。アクセル全開のまま駆け抜ける。そこから徐々に速度も乗り、240キロくらいまでになった。

 単独走行だからとて一旦気を抜けば、それを元に戻すのは容易ではなく。つまらないミスもしかねない。ましてやツーリングカー、扱いやすいということは、パワーは低めで、一旦速度が落ちると回復に時間がかかり、その分ロスをするので、そうならないために速度を最大限維持させなければいけない。

 だから、楽を出来るところで温存はしても気は抜けなかった。

 コースは終盤になり、龍一はピットインする。

 画面は変わり、クルーはタイヤ交換する場面になる。雨天両用タイヤだ。

 画面はボンネット視点に戻り。クルーが行け、という仕草を見せるとともに Goの字幕も出て。

 シビックタイプRは勢いよくピットアウトする。

 コースは点々と雨が降りウェット区間とドライ区間が入り乱れている。

 ニュルブルクリンクは難コースとはいえ、扱いやすいツーリングカーカテゴリーなので、車の扱いに難儀することはまずない特性を生かし、コースを徹底的に身体に叩き込むのを目的として走り込んだ。だからツーリングカーはうってつけではあるが、次の試合ではツーリングカーのレースだからというのもある。

 そんなこんなでニュルブルクリンク・フルコースを何周かして。区切りのいいところでやめて、龍一は一旦休憩に入って、シムリグから離れて。

 冷蔵庫の缶コーヒーを取り出し、飲み干して、リラックスの軽いため息を吐く。

「来年どうなるか。今度のグリーンヘル・カップ次第か」

 と、ぽそっとつぶやいた。

 龍一はForza Sim Racingの日本リーグに参戦し。先週の最終戦でシーズンが終わったが。

 戦績はかんばしくなく、ランキング10位だった。

 ウィングタイガーは韓国のチームで、龍一は日本にいながらリモート所属をしている。

 ウィングタイガーはeスポーツではトップクラスのチーム。龍一自身、世界大会で優勝経験もある。(第1作目参照)

 龍一はそのウィングタイガーに所属し、チームの日本支部のような存在だったが。

 それが、ランキング10位である。一桁順位にもなれなかった。

 オーナー兼監督のチョ・ソキョンはおかんむりだったのは言うまでもなかった。

 K-POPアーティストを思わせるクールな容姿のこの女性オーナー、チョ・ソキョンは、プロチームを所有し監督するだけありアドバイスは的確であったが。もちろん要求も厳しい。

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