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第2章 Touring car qualifying 9

「そうなんですね。なら、ご厚意にお甘えして」

 と、缶を手にして、ぐいぐい飲み干した。

「うちもなんかお返ししなきゃ。何がいいかな」

 とソキョンは考えていた。

「お返しは、オレらのワンツーで」

「そうそう。僕が1位で龍一は2位」

「おいおい。逆だろう」

 部屋に笑いが弾けた。

 もちろんこれとは逆の状況のチームもあるが、割愛する。

 みんな、真剣なのだ。ガチ勢なのだ。ゲームだからとなめてるやつらはいない。

 同じころ、ヤーナと雄平も部屋に戻り。リラックスしている。順位はヤーナが1位で雄平が2位。

 スポンサーからの差し入れのゾンネエナジーは、ビル入りの時に飲んでいる。

「むざと追い打ちをかけられるようなやつじゃなかったってことだな」

 順位表を見て、優は不敵に言う。

「そうこなくっちゃな。弱い者いじめは趣味じゃねえ」

「それでも、オレたちが勝ちますよ」

 と雄平は言う。彼はリーグ戦5位の成績だが、満足していない。もっと上へ、上へ、という向上心は強い。このカップ戦も勝って。来季の飛躍に

繋げたかった。

 飛躍、それはチャンピオンだ。そしてグローバルな試合に出場し、グローバルの場で勝つことだ。

 龍一がデビュー、勝利したForza E World GPを雄平も観たが。

「とんでもねえやつが出たもんだ」

 と思ったものだった。

「そうだね、あたしらが勝つんだよ。雄平も頑張りなよ」

 ヤーナは雄平を素直に励ます。チームメイトといえどもライバルなのがスポーツの世界だが。彼女はそんなこだわりはなかった。

 一時は、Forza E World GPなど、グローバルな舞台で活動をしていたが、成績は振るわず。チームから放出され。引退か現役続行かと悩んでいたところ、ウェブを通じレッドブレイドがチーム員を募集しているのを知り。もう少し頑張ってみるかと、応募し、採用されて。今に至る。

 彼女は日本国内での活動に満足しており、夢よ再びということは考えていなかった。

「さあ、行こうか!」

 ひと休みして、ひと息つけて。選手たちは立ち上がり、試合会場の大ホールへと赴いた。

 チームクルーはノートPCやテレビとにらめっこだ。

 スポーツ試合の中継といえば、実況がつきものだ。今回の試合の実況は、ふたりのヴァーチャルチューバ―が担当していた。

「おおっと、1番時計のHoney Bear選手、なんとさらなるタイム更新です!」

 と、ひとり、夜香楠よ・かなんという変わったな名前ながら、サイバーパンクな装いをしているブルーヘアにブルーアイのハイティーンな感じの男の子のヴァーチャルチューバ―がヤーナのタイム更新を伝える。

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