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プロローグ 2

 プレイするゲームは、Forza Sim Racing。ゲーム内には様々なカテゴリーのマシンやサーキットが収録され。

 龍一は、マシンはシビックタイプRのツーリングカー、サーキットはニュルブルクリンク・フルコースを選んで。シチュエーションはライバル車なしの単独走行、周回数無制限のテストドライブを選んで、ひた走っていた。

 GPコースを抜け、ノルトシュライフェに入れば、路面や景色、雰囲気は一変。視界の広い近代的なサーキットから、素朴さも感じる、ラリーのターマックコースに移ったかのような変化があり。

 エスケープゾーンは狭く、土手やガードレールに、コースを挟む木々が迫るようにも見える。

 そのうえに、路面には様々な色で、カラフルな落書きも書かれている。実際のコースにも落書きがあり、ゲームでもそれは再現されているのだ。

 季節は秋から冬へと移り行き。長かった残暑もようやく和らいできたことだった。

 外は秋晴れ。コースもそれに合わせたような晴れだが。徐々に雲行きが怪しくなり、ついに空は雲が覆う鼠色で、雨が降り出した。

 時間こそ昼間設定だが、天候はランダム設定。走っている途中で天候が変わる設定にしていた。これに関し、ファミコン世代の龍一の両親は、ゲームはここまで進化したのかと驚いていたものだった。

 それはさておき。

 勇ましいエキゾーストノートを奏でていたシビックタイプRであったが、急な雨により減速を余儀なくされた。同時に、雨音や水をはじく音も混ざりだす。

 タイヤはドライ用、ピットに入ってレインタイヤに交換したいところだが。距離がある。

 ドライ用タイヤで雨の中、我慢の走行を強いられた。が、シビックタイプRはフロントエンジン・フロントドライブなので、前輪が空回りすれども、比較的走りやすかった。

 もちろん、あくまでも比較的であり、シチュエーションの合わないタイヤでの走行を強いられるストレスは禁じ得なかった。

 しかしそれをおさえるのもプロの仕事だった。

 焦らず、淡々とコースを走らせていた。

 雨は降り続けている。

 このまま降り続けるか? と思えば、雨の勢いはなくなってゆき、終盤のロングストレートでは完全なドライだった。

 遠慮なくアクセルを踏み込む。

 シビックタイプRのエンジンが唸りを上げる。とはいえ、タイプRでも扱いやすいツーリングカーなので大げさな速度は出ず、緩いながらも上り坂ということもあり、230キロから加速は鈍くなる。

 ライバル車がいなければこの区間は暇、というわけでもなく。

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