⑩バイオハザード! 突撃じゃ~!
「爆裂キノコ!」
ズッドォォォォォン!
草木も眠る丑三つ時。今日も今日とて、わたしはゾンビ狩りに来ていた。目にも留まらぬ速さでキノコをお手玉し、近づいてくるゾンビ目掛けてクナイよろしく投擲する。あとは爆発して腐肉が燃える。それだけ。
今日でゾンビ狩りを始めて一週間。それなりに慣れてきて、片手間でゾンビどもを爆散させられるようになっていた。
手に入れたVPで最上級炎魔法のスキルも取得し、豊穣の王と合わせて爆発の威力も見違えるほど上がっているし、向かうところ敵なしだ。わたし最強!
え? 豊穣の王を取った理由? そんなの名前的に髪の毛が生えそうだなと思ったからだよ! 生えなかったけどさ! 逆に代償もなかったけどさ! なんでだよ!
そんなこんなで十分後には本日のゾンビも全滅。
「ヒヅキちゃん、カエデちゃん。今日もお疲れ様~」
「ブルーもお疲れ!」
「…ん。今日も頑張った」
三人で労いの言葉をかけあう。それからガンデルさんの屋敷へと帰宅する。
あまりにもこの街で仕事するものだから、もはやナイトクラン本部と街を往復するのが面倒くさくなり、最近はガンデルさんのお屋敷で寝泊まりさせてもらっているのだ。ありがたやありがたや。
今日も今日とて「お帰りなさいませ」とメイドさんに迎えられ、一風呂入ってからベッドに横になる。そして翌日の昼頃に起きる。最近の日課だ。
いつも通りベッドに横になってウトウト。スヤァ……
「いやちょっと待て。いくらなんでもゾンビ湧きすぎだろ」
ガバリと起き上がる。毎日百体以上のゾンビを爆散させているんだよ? なのに連日現れるどころか、だんだんと数を増やしていく歩く死体たち。どう考えてもおかしい。
わたしはベッドに座った体勢で考え込み、日本で得た知識をフル稼働させる。
これまでわたしはゾンビたちは自然発生したものだと思っていた。だけどこれが人為的に引き起こされた現象だとすると? 中国のキョンシーのように術者がいるとすれば……ゾンビどもが無限に湧いてくるのも頷ける。
術者がいると仮定した場合、そいつの目的はなにか。ミステリで言うところのホワイダニット。この場合、フーダニット、ハウダニット……だれがやったか、どのようにやったかを考えるよりは目的を考えた方がいいだろう。
そうして長いこと黙考したが、一向に答えは出ない。
そこでわたしの視界にスマホが映る。女神から貰った赤色の旧式アイ〇ォンだ。そこでわたしは閃いた。こういう時、ネットは頼れるのだ。
わたしはスマホの画面をポチポチして、チュイッターにこれまでの経緯をポストする。ハッシュタグは『な〇う小説』『アイディア募集』といったところか。そして最後に質問をする。
「この事件の黒幕の目的は? ……ポストっと!」
こうすれば創作意欲のあるな〇う小説家が答えてくれるだろう。っとさっそく返信が来た。見てみよう。
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その街から人を追い出すことが目的。問題のある土地として地価を下落させて安く買いたたく。
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ふむ。なるほど。そのリプライに私はさらに返信する。
「じゃあ犯人はだれ? 送信と!……って返信速いな!? なになに? 不動産屋?」
先の返信も考慮すると、人を追い出し、さらに土地の値段を下げたい不動産屋がゾンビに街を襲わせているということだろうか?
そこでわたしはエゼルの顔を思い出した。 ふむ……確かに点と点は繋がるな。
というわけでさっそく、わたしはヒヅキとブルーを叩き起こし、ガンデルさんからエゼルの家を問いただした。
結果、エゼルは近くの山奥に屋敷を構えているという情報を得ることに成功する。そしてわたしたちはその屋敷へと向かった。
もうゾンビと戦うのは懲り懲りだからね! 解決できるならさっさと解決してしまいたい!
そんなこんなで夜の山に来ました~。目の前には鉄柵。その内側は広大な庭だが、山奥だからだろうか? なんだかジメジメとして鬱蒼とした、不気味な雰囲気だ。奥に位置する、屋敷の白い壁にも無数のツタが這い、おどろおどろしい。
お化け屋敷と言われたら普通に信じるだろう! うん!
「なんだか嫌な空気ね~。じっとりと肌に纏わりつくみたいな。どう、ヒヅキちゃん?」
「…ん。見える範囲に異常はない。けどなんか肌がヒリつく感じ。間違いなくなにかいる」
そう言いながら屋敷を観察するブルーとヒヅキ。わたしは首を傾げる。
「でも明かりは灯ってないよ。留守なんじゃない?」
「…カエデはバカ」
「そうねぇ。いま何時だと思ってるの? 普通の人は寝てるわよ~。あたしだって眠たいし~」
そう言って大きく欠伸をするブルー。ヒヅキからは呆れた視線を頂戴してしまう。
「じゃあどうする? 日が昇ってから出直す?」
質問すると、ヒヅキのジト目がわたしに突き刺さる。
「え、なに? なに?」
「…言い出しっぺはカエデ」
「けどヒヅキちゃん。それはあまりにも危険なんじゃ……」
少女の考えを察しているらしいブルーが心配そうに瞳を揺らした。しかしそんなオカマの言葉に、首を横に振るヒヅキ。
「…大丈夫。カエデはルシフェ……鋼鉄の獣で防御力だけは一丁前」
「まあそうだけど……けどあたし、ちょっと不安だわ~。カエデちゃんはまだナイトクランに加入して間もないわけだし」
「…カエデなら問題ない。なにが起きても死ぬことはないから」
「うーん……ヒヅキちゃんがそこまで言うなら、まぁ……」
そこで二人の目が一斉にわたしの方を向く。それと同時に、わたしの頬を冷や汗が伝った。気のせいかな? なんだか嫌な予感がするんだけど?
…………
それから数分後。
わたしは植物が鬱蒼と生い茂る庭の中にいた。たった一人で。
なんでだよ! 入るなら全員でじゃないの!? 赤信号、みんなで渡れば怖くないの精神でさ!?
しかしとやかく言っても始まらない。大きくため息を吐いたあと、わたしは周囲を観察する。とは言っても真っ暗でろくに先も見通せないのだが。自分の手が辛うじて暗闇に白く浮かび上がるくらいだ。
そこでわたしは閃いた。明かりがないなら火を灯せばいいじゃない。というわけで、
「光るキノコ」
手の中に光り輝くキノコを召喚する。これで周囲が見える。しかしわたしは後悔した。明かりなんかつけなきゃ良かったと。
「「「「「あ”ぁ”?」」」」」
なぜなら庭を徘徊する無数のゾンビが、一斉にこちらを振り向いたから。
「ぎゃあああぁぁぁぁ」
「「「「「あ”あ"ぁ”ぁ”ぁ”」」」」」
わたしの悲鳴とゾンビの呻き声によるカルテット再来。慌てて振り返るが、門の外に同僚二人の姿はない。
あいつら、わたしを置いて帰りやがった! ふざけんな! 大学生の肝試しじゃねぇんだよ!
そうこうしているうちにゾンビの大群が背後に迫る。
ああいいよ! もうこうなりゃヤケクソだ! とりあえず当たりは引けたわけだからね!
さっそく爆裂キノコズを召喚。手の中でお手玉して、近づいてくるゾンビ目掛けて投擲。
ズドン! ボゴン! ドゴン!
「「「あ”あ”あ”ぁ”ぁ”」」」
「おほほほほ」
子気味いい爆発音とともに爆炎が闇を切り裂き、ゾンビたちからは低い悲鳴が上がる。そしてわたしの口からは哄笑。
ゾンビは瞬く間にその数を減らしていく。あちこちで火柱が上がり、気分はキャンプファイヤー。
……いや、そんないいものでもないけどさ。
ガシャンッ ガシャンッ
なんか鎧を着たゾンビも館の中から現れたけど、そんなの関係ない。通常ゾンビもろとも爆破してやらぁ! ヒャッハー!
騎士ゾンビがわたし目掛けて剣を振り下ろす。しかし当然、傲慢の王の能力でわたしは無傷。
身軽に騎士ゾンビの頭上を飛び越える。その合間に、鎧と鎧の隙間に赤キノコを詰め込んでおく。
ズドン!
背後で響く爆発音。わたしは口角を上げ、襲い来るゾンビたちにキノコを投げつける。
ズドン! ズドン! ズッッドォォォォォン!!!
その時だった。一際、大きな轟音が轟き、地面が揺れる。
これはわたしが起こした爆発じゃない。音のした方、屋敷の二階部分を見上げれば、なんと屋根が吹き飛んでいるではないか。そして屋根があったはずの場所からは二匹の巨大な怪物の姿が覗いていた。
一匹は屋敷よりも上背のある、真黒な人型の化け物。ただし表面はヘドロのように流動し、ボコボコと泡立っている。そして顔に当たる部分には黄色に光る目が二つ。言うなればヘドロ人間、あるいは巨大ゾンビといったところ。
対するもう一匹は、上半身はブルー、下半身は八本のタコ足という、タコ版人魚とでも表現すべきモンスター。ヘドロ人間と並ぶ巨大さで、吸盤の付いた触手がうねうねと動き回っている。そしてそのうちの一本の上には、小太刀を構えたヒヅキの姿も。
「エゼル! 逃がさないわよ!」
「それはこちらのセリフ……わたしの正体を知った以上、あなたたちを逃がしはしません」
ブルーが吠え、ヘドロ人間が低く腹に響く声で応える。
どうやら同僚たちは帰ったわけではなかったらしい。わたしを囮にして本丸……ゾンビを裏で操っていたエゼルに迫っていたようだ。
「それならそうと、最初から教えて欲しかったんだけど?」
ドォォォォォンッッ!
次の瞬間、わたしの目の前で二匹の化け物がぶつかり合った。衝撃で屋敷が崩壊し、瓦礫が雨霰のごとく降り注ぐ。
ヒヅキが手を振るうと共に、キラリと輝く数十本の蜘蛛糸がヘドロ人間の腕に巻き付き、その動きを止める。
「…漸糸」
呟きと共にヒヅキが腕を引く。次の瞬間、ヘドロ人間の腕が「パーン!」と破裂したように弾け飛んだ。
「グオ”ォ”ォ”……!」
「スーパープリティ・パンチ!」
よろめくヘドロ人間。その顔面目掛けてブルーが触手を打ち付ける。
ボンッ!
エゼルの頭部が吹き飛んだ。
「よしっ!」
すっかり観戦モードのわたしはガッツポーズ。しかしエゼルは倒れる様子はない。それどころか首と腕の断面がボコボコと泡立ったかと思うと、頭部と腕が再生していくではないか。
見ればヘドロ人間の足元にゾンビたちが群がり、黒い液体に飲み込まれていくではないか。どうやら死体の骨肉で身体を再生している様子。キモチワル~……
わたしがドン引いている間にも二匹の怪物は激しく争う。ブルーとエゼルがプロレス技で言うところの手四つ状態で組み合い、その周囲をヒヅキが縦横無尽に跳び回る。蜘蛛糸による漸糸が巨大ゾンビの肉を斬り落とし、あるいは削いでいくが致命打にはならない。
むしろヘドロゾンビの再生力が上回っているようで、通常ゾンビを吸収してどんどん巨大化していくヘドロ人間。ブルーの額に球のような汗が浮かんでいる。
このままではいずれ押し切られる。ぼーっと大怪獣バトルを眺めているわけにはいかない。
「わたしも加勢しなきゃ」
そう呟いてわたしは大量の爆裂キノコを召喚。ただし的は巨体。だから普段よりも大きな、拳大ほどの赤色キノコだ。それらを一斉投擲!
ドドドドドドドドド……ズッドォォォォォン!!!
「お"お”ぉ”ぉ”ぉ”!!!」
子気味のいい音と共に黒い巨体に突き刺さった無数の爆裂キノコ。一斉に火を噴き、ヘドロ人間を爆炎が包む。悲鳴を上げるエゼル。ついでにブルーも悲鳴を上げる。
「ぎゃあああぁぁぁぁ! あっつい!? スルメになっちゃう~!」
「なるかぁ!? あんたタコでしょうが!」
わたしのツッコミが闇夜に木霊する。うん。なんかちょっと恥ずかしい。頬が熱くなるのが自分でも分かる。
ってそれどころじゃない。慌てて火に包まれた巨大ゾンビを確認する。するといくらか小さくなったもののすでに火は鎮火し、まだまだ健在のヘドロ人間の姿。いくらかのダメージは与えられたが、この様子ではすぐに再生してしまうだろう。
「液状だからあんまり炎が効かないのかな……ん? 液体?」
そこでわたしは閃く。わたしを捉えようとする通常ゾンビたちの腕を掻い潜りながらスマホをポチポチ。
そして新種のキノコを生成。わたしの手の中には氷の結晶の模様が刻まれた水色のキノコ。それをヘドロ人間の足元目掛けてぶん投げる。
そしてぶつかった瞬間、
パキーン!
「ぬおぉ……!?」
ドロドロの足が凍り付き、エゼルが目に見えて動揺する。目論見通りだ。間髪入れずもう一方の足にも凍結キノコをぶつけて巨大ゾンビの動きを封じる。
ついでに足元を凍らせたことで、通常ゾンビを吸収して再生することも封じられた。あとは同僚二人にお任せだ。
ヒヅキが漸糸で手足を切り刻み、ブルーが巨大な触手でヘドロ人間を殴りつける。
「お"お”ぉ”ぉ”ぉ”!」
ブルーの拳が、ヒヅキの斬撃が、じわじわとエゼルの身体を抉っていく。悲鳴を上げ、みるみるうちに小さくなっていくヘドロ人間。
「な、なぜだ……!? なぜ……! さ、再生……できない……! やめろ……やめてくれ……」
闇雲に腕を振り回し、最期の抵抗を試みるエゼル。しかしナイトクランの手練れ2人を前に、そんな悪あがきは意味を成さない。恐怖に歪む、巨大ゾンビの光る眼。突如、その目が水色キノコを投げ続けているわたしを捉えた。
「……せめて……! せめて、一人だけでも道連れに……!」
全ての憎悪を詰め込んだような、低く唸る声が空気を震わせる。
まずい! ───そう思ったときには遅かった。わたしの腕を、足を、無数のゾンビの手が掴む。振りほどこうと暴れるが、圧倒的物量の前には焼け石に水だ。死者の波に飲み込まれ、光が、音が、空気が遠ざかっていく。わたしは死に物狂いで手を伸ばした。
「た、助け───」
しかし伸ばした手が掴むのは虚空だけ。次の瞬間、わたしの視界は闇に閉ざされた。
傲慢の王は相手の攻撃を無効化する。しかしヒヅキに捕らえられたように拘束の類は防げないし、餓死など内因的要因では普通に死ぬ。そしていま、ゾンビに取り込まれてわたしは息ができない。このままでは窒息死することは明白。
闇雲に手足を動かすが、どろどろとした液体になったゾンビたちははわたしの身体を放してはくれない。爆裂キノコを使って爆破する案が頭を過ぎるが、すぐにその考えを打ち消す。傲慢の王は自分自身の攻撃まで無効化はしてくれない。以前、実験がてらキノコを自分の手の上で破裂させてみたが、普通に痛かった。だから周囲のゾンビを吹き飛ばすほどの爆発を起こせば、わたし自身が無事では済まないだろう。
いや……一応、裏技的に自分自身の攻撃を無効化する方法はある。キノコを生成したあとに自身のKPを増やす───きのこ生成時よりもKPが多い自分になれば、過去の自分の攻撃は傲慢の王の効果で無効化───という方法があるにはあるが……いまはそれを使える状況にない。
くそっ……どうすればいい? どうすれば助かる?
必死に助かる術を模索するが、一向にいい案は思い浮かばない。
そうこうしているうちにだんだんと意識が遠のいていく。暗い海に沈んでいくような、天に昇っていくような不思議な浮遊感。
あぁ……だめだ……
そうしてわたしは死を覚悟する。しかし次の瞬間、
スパパパン!
子気味のいい音と共に突然、視界が開けた。わたしは芝生の上に倒れ込みながら大きく息を吸う。新鮮な空気が肺を満たしていくのが分かる。ああ、なんて美味しい空気だ。
目に涙を溜めながら視線を上げれば、そこにはこちらを見下ろすヒヅキの姿。
「あなたが助けてくれたの?」
「…仲間は死なせない。それだけ」
わたしはそのヒヅキの言葉に目を見開いた。冷酷な女の子かと思っていたけれど、意外と情に厚く優しい子なのかもしれない。視線を逸らす仮面の少女を見つめながら、わたしは愛好を崩す。
「ありがとう、ヒヅキ……あんたクソガキかと思ってたけど、けっこういい奴なのね」
「…褒めてる?」
「もちろん! 褒めてるよ!」
「…そう……でも褒めたって手しか出ない」
「手しか出ないの!? じゃあなにも出さないほうがいいよ!」
実際に拳を振り上げるヒヅキを慌てて止める。そうしてわたしたちがギャーギャーと騒いでいると、人型に戻ったブルーが微笑みながらこちらにやってきた。その背後には原形をなくして動かなくなったヘドロの山。右手にはエゼルの首根っこを掴んでいる。
「ほいっと」
わたしたちの目の前にフェイカーを放り出すブルー。エゼルは怯えた目でわたしたちを見上げる。
「ひ、やめて……命だけはどうか……」
は?
わたしの額には青筋が浮かぶ。わたしはツカツカと男に歩み寄る。
「わたしを殺そうとしておいて、自分は命が惜しい? そんな虫のいい話がある? それに町の問題の元凶もあなたよね。女性を脅していた件もある」
尻もちをついたまま、必死に後退る小太りの男。わたしは拳を振りかざす。
「ひっ、お願いです。許してくだs───」
「問答無用!」
次の瞬間、エゼルの頬にわたしの拳がめり込んだ。「ぶべっ!?」と、奇妙な声を漏らして吹き飛ぶハゲ。地面に転がった男の頭上を、ピヨピヨとヒヨコが舞う。
わたしは「ふんっ」と鼻を鳴らした。背後からは巨漢乙女の困惑した声。
「あれ、いいのかしら?」
「…べつに構わない。どうせ連れ帰って尋問するつもりだった。どうしてエゼルは街を欲しがったのか……この件は放置しちゃいけない気がする」
「ふーん、そうなの。なら問題なしね。気絶してた方が連れ帰りやすいし」
背後を振り返ると、ブルーが手をパンッと鳴らしてニコリと笑った。
「兎にも角にも、2人ともお疲れ様。これにて任務は終了よ!」
「イエーイ!」
「…ん」
パチンッ!
3人の乾いたハイタッチの音が、夜空に響き渡った。
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ゾンビを使って住人を追い出してた悪徳不動産業者を撃破! アドバイスくれた人マジ感謝!
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残りKP ?12989999934
……ん? ちょっと待って。なんか異様にKPが減ってない? 昨日までのKPは○○で、いまは○○だから……一千万くらい減ってる!? なんで!?
ちょっと小話
巨大ゾンビのナイトメアスキルは死霊の王です。死体をゾンビとして操ることが出来る能力です。
また豊穣の王の代償は髪の毛が緑色になることです。ハゲのカエデには関係のない話ですけどね。




