LXXXV 死に損ない
今日でまだ三日目…あと四日もある…地獄
沼人関連への協力は忘れてないでしょうね…?
「んだよ、こっち睨みやがって、つーかなんだよここ、暗いし霧だらけだし泥濘んでるし…」
「生屍や幽霊を管理してるんだから日光とか当たっても困るに決まってるでしょ」
「つーか一週間経ったらまたお前らここに来んの?やっば」
「沼人の頃こと覚えてたんだ、てっきり忘れてると思ってた」
「てめェ俺のことなんだと思ってんだよ」
「…てか館に入らずウィアードに会うってどうすんだろ」
「無視かよ」
…にしても、平衡感覚がおかしくなりそうな場所だな…
枯れ果ての大地とか言うわりに泥濘んでるし…
確かにこれは風魔法使った方がいいかも
「静穏風」
「なんだよ急に…ビビるじゃねェか」
「霧が邪魔だから、晴らそうと思って」
「せめて事前になんか言えよ」
さて、これでウィアードに私がいることは伝わったと思うけど…
「おい、あの影なんだ?」
「…人が二人、生屍か?」
「ヤダヤダほんとにいるじゃーん」
「でしょでしょほんとにいるでしょ?」
「見ない顔だな、誰だ、」
「僕はネクロ、ウィアード様に仕える者」
「私はタナト、ウィアード様に仕える者」
「へェ、生屍なのに自我が残ってるな、珍しい」
ぱっと見人間にしか見えない…吸血鬼の目は使い勝手がいい
さて、どうしようか、話に来た感じじゃないよね
「今すぐ帰るなら許してあげる」
「さっさと帰れば許してあげる」
「「だからさっさと帰ってね」」
「はっ!じゃあ力尽くで帰して見ろよ!」
「ばっ!やめろ吸血鬼!下手に動くな!」
吸血鬼の力は一度攻撃を受けてから真価を発揮する…が、相手の力量がわかってない今下手に突っ込むのは自殺行為…!
「氷槍!」
「炎槍」
タナトもネクロも連携がしっかりしてる…吸血鬼はもう止まれないし…
一体どう対処するつもりで…
「神魔砲弾!」
神魔魔法…!?いや確かに効くと思うけど…でも…
「アハハ!迎え撃つんだ!」
「ふふふ、死ぬ気なんだ!」
「誰が死ぬかよ!死に損ない!!」
「仲間に守られないよりずっとマシ!」
「仲間に見捨てられるよりずっとマシ」
あ…
…でも、でも吸血鬼は、リミーの体を使ってて…
でも吸血鬼が傷付いたらリミーの体に…
あーもうどうしたらいいの!!
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