LXXXIV 掴みどころのない
…ナスタチウム州、ね、
あそこは規制が厳しいから余程のことがない限り大丈夫だと思うけど…
吸血鬼の思惑が分からない以上下手に動けない…
はぁ、あいつほんとに何考えてんの?
お陰様でこっちの負担が信じられないくらいなんだけど
「おい何ぼさっとしてんだ、私はお前の心ん中見れねえんだよ、なんか考えてんなら口で言え」
「…ナスタチウム州は比較的暑いから面倒だなって思ってただけ」
「ふーん…ま、どうでもいいけど」
はぁ、プランクに何て言われるか…
不安すぎる…
ナスタチウム州
「へェ、ここも発展したなぁ、いい所だ」
「今度は下手に動くなよ、こっちが困るんだからな」
「へいへい、善処するよ」
どうだか…
「にしても、随分と警備が強くなったものだ、私に喧嘩を売っているのかと勘違いするところだったわ」
「勘違いしきってただろ、自分を棚に上げるな」
あの警備兵には悪い事をした、魔王に殴られそうになったなんて、トラウマものだろうな
魔王への偏見が悪い方向にいかなければいいが
「そうだ、道化がいるのはどこだ?」
「バーミリオン宮殿は簡単には入れないぞ」
「行けない訳では無いんだろ、行くぞ」
「はぁ…」
「さっさと行くぞ」
バーミリオン宮殿
「すまないプランク、上がるぞ」
「…まず、名を名乗ってもらえるかしら?」
「リエル・アルミーン、リミーの創造の力を司っている創造神だ」
「…そう、で、そっちのなり損ないは?」
「気づかれるもんだね、私に名はない、吸血鬼だ、初対面じゃないから、安心してくれ」
…こんなやつ相手に、信頼は出来ないよな
「…あぁ、お前あの時の吸血鬼ね、懐かしいわね、封印されたものだと思ってたわ」
「おいおい緊張するなって、お…私たちの仲じゃねェか」
「…で、なんの用で来たの?」
「おいおい無視かよ…ま、観光だ観光、やることないしな、ここの美味いもんでも教えてくれよ」
…嘘をついてるように見えないから、プランクも困惑してる…
「…うちで何もしないなら、好きにしたらいいわ、でも、魔王が広場彷徨いてたら買い物も出来ないと思うけどね、わかったらさっさと帰りなさい」
「へいへい、りょーかいしましたよっと」
「あ、そうそう、次はどこに行くのかしら?」
「トープ州だな、生屍どもに会いに行ってくるよ」
「あぁそう、人の国に行かないのなら、別にどうでもいいわ」
…プランクは優しいな、よく相手してくれる
「あら?お客さん?」
「ジョン…今日は休んでていいと言ったはずだけれど…」
「いいじゃない別に、貴方達は…リミーさん?」
「に近い別人だ、時間が無いので今日はここでお暇させてもらう」
「そういうことで、じゃあまた」
はぁ、無駄に疲れた、明日はトープ州か…
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