LXXXVI 監視役
「ッチ、やっぱり出て来やがったなこの女狐」
「口が悪りィんだよババア」
やっぱり…吸血鬼になってるか
流石に急に負荷が入ったから耐えられなかったか
「いやァこうやって外が見れるってのはいいもんだねェ」
「リミーに体を返せ」
「嫌だね、こっちは何年も閉じ込められてたんだ、ちったァ外の世界見たって罰あたんねェだろ」
「自分が閉じ込められた理由もわかってねぇのか寒頂来が」
「しったこっちゃねェよ莫連め」
「お前が無駄に暴れたからだろうが暴徒女!」
「知るかよ、俺はただ外が見たいだけなんだよ」
…嘘はついてない、でも思惑が見えない…いったいなぜそんなことを…
「じゃあ提案だ、お前を一日外に出してやる、その代わりお前の力を貸せ」
「ヘェ、いいね、でもこっちにメリットがァ少なすぎるんだよ、一週間はここにいさせろ」
「…いいだろう、だが監視付きだ、お前が暴れたら容赦なく叩き切ってやれるようにな」
「…まァいいだろう、じゃ、明日ちょうど一週間が始まる…さっさと監視役を決めるこったな」
…やっとどっかいった
と、リミーは…!
「うっ…あれ?さっき意識が飛んだんだけど…あ、リエル!何があったか知らない?」
「…良かった、怪我とかしてない?」
「え、あ、大丈夫だけど…」
…とにかく、メタトロンにでも頼みに行くかな
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ギリシャ:メタトロンの書斎
「メタトロン、いる?」
「はい、私ならここにいますが…って、えーっと…初代創造神様でしたね」
「リエルって名前ができたよ、それより、仕事を依頼したいんだけど、今大丈夫?」
「はい、大丈夫ですよ、ではあちらで」
とりあえずは大丈夫かな
「…なるほど、それで監視役を私に頼みたいと」
「そ、メタトロンって36万5000の目を持ってるでしょ?」
「まぁそれは大丈夫ですよ、ですが私は何かあった時対応できませんよ?」
「それに関しては大丈夫、私がどうにかするから」
「なるほど、大丈夫なんですね」
いよっし、もうこれでどうにかできるね
はぁ…一週間かぁ…
そんな短い期間のことだけで悩むの初めてかも…
…リミーの体、大丈夫かな、変な負担がかかってると思うし…
…あいつ、ほんっとにイライラする…封印でもなんでもいいから姿を消してほしい…
たまには私も休みたいものだね、ほんとに…
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