LXIX 対話
ナスタチウム州:バーミリオン宮殿
オレンジの灯りで覆い隠せないほどの厳粛なオーラ、参っちゃうね
紅夜はプランクのすぐそばでうずくまってる…にしてもボロボロだな、前上から見た時はもうちょっとマシに見えたんだけど…
私の見間違いか、物資の供給がなくなったのか…
まぁ、後で聞けばいいか
リヴィよ、早く来てくれ…!
この地獄みたいな空間をどうにかしてくれ…!
「すまん、遅れた」
リヴィ!!!!
来るのが遅えんだよどついてやろうか!!!!
「リヴィアー、早速で悪いんだがこいつはお前のなんだ?」
「従者に近いただの奴隷だ」
ただの奴隷って…余計空気が…
ってか紅夜のやつ、びっくりしてるじゃん…伝えてなかったのか、“捨て駒”だって
「嘘ですよね…?私は忠実なる貴方の配下…奴隷だなんて…そんなわけ…」
「まだお前は自分を過大評価してるのか、お前は使い勝手がいい鬼の一族だったから使ってただけの捨て駒にすぎない。調子に乗るなよ?」
ひっでぇ、リヴィって魔王以外にずっとこんな感じだよな、優しくしろよ…
もっと優しい言い方あったじゃん…
「リミーは紅夜に従者を傷つけられたんだよな、じゃあ殺してもいいぞ」
「軽くない?」
「別に次の仕事くらいでもう死んでいただろ、生かしたってしょうがない」
うーん…事実なんだけど…
「リミーが望むなら何度だっていたぶってやっていいぞ」
…いや、決めた、合意も得たしね
「気が変わったその小僧を私に頂戴?彼はこれから私の従者にするの」
「正気か?それを夜桜が許すのか?」
「ちゃんと聞いたよ、お嬢様が望むならって許してくれたさ」
「い、いいのか?」
「お前の役目は特にないけど…そうだね、地下室管理に努めてもらおうかな」
「さ、どうする?リミーのところで生き地獄を受けるか、実際に地獄に行くか」
これは二択に見えて一択の質問、まぁ大前提リヴィが許すならってのがあったけどね
快く(?)許してくれたからいい感じになりそう
「良いのであれば、私はリミー・アルミーン様に忠誠を誓います」
「リヴィは大丈夫?」
「あぁ、もちろん」
「それならこいつはリミーの部下だな」
「それじゃ、忠誠の証に名前を変えよう」
「いいのですか?」
別に特別じゃないし…
紅夜じゃなくて…
彼は前衛として活躍してたから…
「君は前衛ね」
「前衛…ありがとうございます。」
「それじゃ、今日はお開きね」
「早く行くよ、前衛」
「仰せのままに」