LVII 鬼小僧紅夜
R6/01/29・編集
マチタン州:拠点
ここがお嬢様から行くよう言われてた場所ですね
あのぶれざーとかいう格好の少女と話せばよいのですね
「すみません、つい最近ここに配属になった者なんですけど」
「どうした?なんか用か?」
「戦況などが聞きたくて…」
「なら紅夜の旦那に聞きな、ちゃんと話せば聞いてくれるさ」
紅夜…なるほど、その者がここを指揮しているのですね
思った以上に早くあの者に会えそうですね
「紅夜の旦那、こいつが戦況を知りたいってよ」
「…なぜ人間じゃないお主がここにいる?」
む、バレたか、にしても女だと思っていたが男なのか、白夜みたいな女装癖か?
角が生えて襟足が長い…鬼の一族ですか
「なぜと言われましても、鬼であるあなたに何か言われる筋合いはありませんが」
「それもそうか、で、戦況を聞きたいと?」
「ええ、知っておいて損はないでしょう?」
「それもそうだな、その前に名を名乗れ、呼びにくい」
名前…本名は駄目ですよね、夜月の名が知れ渡っている以上、私も知られている可能性がありますし
そういえば決めていませんでしたね…
「如月夜叉、私の名です」
「夜叉か、わかった。では戦況を伝えよう」
話が早くて助かるな、この者についても聞ければよいのだが…
「拠点に敵が侵入した、名は如月夜叉、今ここで殺す!」
敵と見なされたか、まったく警戒心が高い。
いや、そもそも国から新しい者が入るならそう言われるか、これは失念
「敵だなんてそんな…私はただ戦況を知り国へ貢献したいだけなのに」
「よく回る口だ、喋れなくしてやろう」
…この者もユウリと同じで魔物、及び魔王を敵視しているのだろう
魔王が世間一般的に悪という認識は太古より染みついた先入観故直しようがないが…
ここまで敵視しなくてもよいのではないだろうか
正義のもう一方はまた別の正義とはよく言うが、多くの人間は正義の反対は悪だと信じてやまない
皮肉なものだ、それを言ったのは人間だというのに
「考えても無駄か」
「なんだ、怯えているのか?」
「まさか、夜叉である私が鬼であるあなたに怯えるなどありえません」
「タイア国では鬼と夜叉は同一視されるそうだがな」
…話すばかりで攻撃してこない
油断を誘うつもりか?
しょうがない、ここは一度引いて体勢を立て直しますか
ナスタチウム州に飛び火したとて、あまり変わりはしなさそうですがね
男の娘ではなく女装癖がある男の子です
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