XLIX 星鏡蝶
さて、アレンと一緒に魔王討伐掲げて頑張るぞ!
と、始まった旅だけど…
「アレン、この辺魔物いなくない?」
「そうだね、都市の近くだから警備が厳しいのかも」
アレンとは出会った頃より打ち解けれてるっぽい
でも魔物がいないのは困るなぁ、信用を勝ち取れない…
「っていうかそろそろ冒険者試験あるんじゃないの?」
「あ、そうじゃん…嫌だなぁ」
冒険者試験、それは対魔組合に所属している冒険者が春に行う試験である
これに合格しないと冒険者の資格が取られてしまうため、毎年何があっても参加しなければならない
…のだが、内容が厳しすぎて毎年怪我人や、酷い年は死者も出るのでマジで出たくない
ちなみにアレンは無所属なのでやらなくていいらしい
正直めっちゃ羨ましい
「そこのお嬢さんら、こんなところでどうしたんだい?」
「私たちは冒険者なの、薬草採取とか、魔物退治とかでここまできたの」
「なら引き返した方がいい」
「どうして?」
「最近ここら辺で星鏡蝶が複数体確認されてな、危ないから、お逃げなさい」
星鏡蝶…聞いたことないけど、脅威になるなら退治しておきたい…
「でも私たちは冒険者、都市の安全のためにも戦うよ」
「ユウリ、星鏡蝶は危険、私たちじゃ相手にならない。大人しく引くよ」
「そこのお嬢さんの言う通りじゃ、生きたきゃ引いたほうがいい」
二人して…たかが蝶でしょ?何をそんなに…
「いやだ、アレンが行かないなら、私一人で行く」
「…そうか、もう言うことはない」
「忠告どうもありがとう、それじゃさよなら」
森の奥へ進みながらどう倒すか考える、幸い私はそこそこ強い独自技能を持ってるから、多分大丈夫
「ユウリ…」
「アレンは行くの?行かないの?」
「そっちじゃないよ」
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歩きながらアレンから星鏡蝶について聞いた
体長約3.5m、攻撃を跳ね返す力と相手のコピーを作ることができる力を持つ
今までで勝ったことのある人間はおらず、人間以外にも広げると英雄、ドルニ・ヘルトと魔王だけとされてる
星のような模様に鏡のように輝く羽から星鏡蝶と呼ばれている
にしても強い…私の独自技能も真似られるってわけか…
ワンチャン負けるな
「見つけた、あれが星鏡蝶だよ」
「うわぁ…でっか…」
こちらに気づくなりバサバサと羽を動かしこちらに近づいてくる、どうしよう、怖い
「風大槍!」
アレンの魔法、初めて見たけど…すごい
風で槍?みたいなのを作って相手に攻撃してる…でも
「やっぱり弾かれる!」
アレンの魔法はそのままアレンに帰ってくる、もしかしたら私の技能も…
星鏡蝶… 星鏡蝶…何か師匠が言ってたことは…
「アレン!精神に干渉する魔法とかある!?」
「あるけど…少しまって!」
「時間稼ぎするよ!」
走り回って翻弄する、あくまでも時間稼ぎと悟られないように
体力の多さは師匠も驚いたんだから!舐めないでよ!
「よしきた!神魔魔法…精神破壊!」
詠唱が終わると星鏡蝶は急に暴れ出し、羽の光沢がなくなった
「会心ノ一撃!!」
今ならいける、そう思うより先に手が動いた、星鏡蝶を真っ二つにする、ちょっとグロい
パラパラと羽から消えていく星鏡蝶、最後にはなにも残らず消えてしまった
「やっと終わったね、対魔組合に報告しに行こう」
「そうだね、にしてもなんで精神攻撃が効くと思ったの?」
「師匠が言ってたんだ、物理が効かないなら精神攻撃をしろって」
「そう、凄いお師匠さんだね」
なんて会話をしながら対魔組合に帰る、はぁ疲れた
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「お嬢様、星鏡蝶の出現、および消失を確認しました」
「そう、誰がやったかはわかる?」
「ユウリ・カグラともう一人、魔法使いでした」
「魔法使いか…わかった、ありがとう黒呀」
「いえ、滅相もございません」
優里…いつの間にか仲間を増やしてたとは、
アレンのこともあるし、邪魔さえされなければいいか
* ユウリ は せいきょうちょう を たおした !
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