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XLVII 冷血吸血鬼

R07/01/04・編集

 〈死者蘇生の準備が整いました。蘇生対象…サチ。身体再構成…42%、63%、79%、98%…構成が完了しました〉


 習得報告…だっけ、死者蘇生の準備が整ったって…もう手遅れか

 まぁいいや、どうせ片方は死ぬし

 そう思うまもなく、ヴァレリアの深紅の瞳が紫に変わり、生き返った母様に一言命ずる


「死ね」


 たった二文字、その二文字が母様を殺した。

 我に帰ったヴァレリアは膝から崩れ落ち、咽び泣く

 可哀想とは思わない、死者蘇生は禁忌だから


「ヴァレリア…姉様、覚えてる?あなたの弟、オルクスのことを」

「オルクスがどうしたのよ、今はそんなのどうだっていいのよ!」


 オルクス、彼はヴァレリアとクレアの実の弟で、種族は死神


 〈禁忌を犯したものへの裁きが下されます〉


 もはや習得報告と言うより神の独り言のような…

 と、裁きか、きっとオルクスが下すんだろうな

 オルクスとは会ってなかったから、はじめましてになるのかな

 まぁどうでもいいけど


「姉さん…やるなんて、思ってなかった」


 紺色の髪をした少年が鎌を持って立ち尽くしている

 姉を手にかけるんだ、やだよね

 私には短い付き合いだったけど、もはやどうでもいいかな


「オルクス…あぁ、あなたは死神だったわね、お願い、やるならいっそ苦しくないように…」

「…リミ姉は何か思わないの?リィ姉だって!」

「別、自業自得だし、短い付き合いだったし、やる方が悪いんじゃん」

「ボクも姉様に同意見、死んで当然みたいなところあるよね」

「…人でなし」


 そう言うと鎌を振り下ろし、ヴァレリアの首を切り落とした

 神でも死ぬんだ、いい勉強になった

 というか人でなしとかいいながら姉を殺すオルクスの方が人でなしだと思うけど

 まぁいいや、これでレイチェルにいい報告ができる

 終わったらアレンとか言うやつの対処も考えなきゃな


「リー、帰るよ」

「はい、姉様」


 転移魔法で館に帰る、もうヴァレリアに会うこともないのか、まぁ別に何も思わないかな

 …魔物に近くなったのかな、罪悪感も悲しみも湧いてこない

 そう言う観点で言えばオルクスは人間に近いのかな


 館内部


「レイチェル?いる?」

「えぇ、その様子なら終わったみたいね」

「うん、はぁ、疲れた、しばらくは仕事の量減らしといて」

「それは夜月に言いなさいよ」


 俯いて涙ぐんだレイチェルを見て、自分の変わり様に気づいた

 レイチェルにとっては、長くて長くて、一言じゃ言い表せない関係だったのかな

 仲良さそうだったし、泣くのも無理ないか

 まぁ、別にどうでもいいけど

心無い彼女はレイチェルのことを理解できるのだろうか

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